保護者のみなさま

教育費と老後資金の関係は押しつ押されつ

2020年10月01日

シーソー

新型コロナウイルスの影響はまだまだ収束する気配が見えませんが、2020年は職場で変化があった保護者の方は多いと思います。会社の業績が悪化し、「仕事を休んで自宅待機して。」もしくは「テレワークに切り替えるから、残業代は出ないよ。」などと言われたり、「6月はボーナスがあるけれど、当分賞与を支給する予定はない。」などと収入減を予告された方もいるでしょう。子どもも大きくなって、そろそろ老後資金の準備を始めようかと思っている方には大打撃です。
今回は、教育費の負担が最も多い時期の子どもを抱えているご家庭における、老後資金の準備について考えてみます。

■教育費はこまめな振り返りが大事



家計管理の話になりますが、教育費はどのように管理されていますか。家計用として、主となる口座を設定して、そこからさまざまな費用を支出していくだけでしょうか。教育費は月々かかる費用ではありますが、「いきなり」費用がかさむ、しかも「その時点で必ず支出しなければならない」費用です。そして、いきなり支出が多くなった場合にしわ寄せがいくのが、老後資金です。
老後にはまだ間があるからと、老後資金を切り崩して教育費の準備をしてしまうと大変です。主たる口座残高の確認だけではなく、費用をまとめたときに、「なぜ増えたのか」「この増加額は今回だけか、それともこれから一定期間続くのか」を振り返ってみてください。
最近は家計簿アプリにも様々なものが出てきています。費用が前月よりも多いと警告してくれるアプリもありますので、そうしたものをうまく活用しましょう。ただ、無料のアプリの場合には、古いデータを見られなくなることがあるなど、何らかの制限がある場合もありますので、その都度、しっかりとどこかに保管することを忘れないようにしてください。

■教育費の総枠を考える

子どもが高校生くらいになると、「進学先は文系か理系か」「高卒か専門学校、大卒か院卒か」「将来、専門職か一般職か」など、ある程度の見通しが立つようになってきます。その時点で、教育費の目途を付けましょう。同時に家計の見直しをしてください。
今後かかってくる費用のうち、子どもがアルバイト代で賄えるもの、保護者が支出するものという選別をして、教育費がかからなくなる時期までに、あとどれだけ支出することになるのかを計算しましょう。そうなると、ある程度家計の収支の計画が立ちます。同時に、貯蓄額の見直し、保険の見直し、住宅ローンの見直しもできるといいでしょう。
その時の見直しは、教育費の目途が付くと同時に、親の老後プランの希望も何となく立てられるようになるはずです。夫婦で田舎などに住み替えをする、一生今の家に住み続ける、将来の子どもとの同居を考えて二世帯住宅のためにリフォームをする、夫婦で老人ホームに移り住むなど、老後のプランによっては老後資金の準備金額が大幅に変わってきます。特にご夫婦で「老後どこに住むのか」をすり合わせるのはとても大事なポイントです。

■老後資金を準備するため「あと何年でいくら貯めるのか」を考えたい

子どもが高校生、もしくは大学生という場合、保護者の定年までは、10年以上20年未満、あるいは子どもが大学生の時に親が定年を迎えるというケースもあるでしょう。さらに住宅ローンの残高が残っていて、定年よりも返済時期が遅く、「退職金」によって返済するという計画を立てている方もいるはずです。けれども、今年は新型コロナウイルスの影響で、今の働き方がずっと続くわけではないと感じた方もいるでしょう。
私は、社会保険労務士という職業から、企業の経営者と話をすることも多く、今年はテレワークについての相談も多いのですが、経営者として「できる社員、できない社員」を明確に分けて、給料形態を見直すことを考えている方がいらっしゃいます。今後「今の給料が維持できるのか」「今後も同様の働き方で雇用が維持されるのかわからない」という状況で、予想外のことがどんどん起きる可能性があるのです。
テレワークは、いつでもどこでも仕事ができる反面、どれだけの時間でどれだけの仕事ができるのかをシビアに判断される、最たる働き方です。まだまだ新型コロナウイルスの影響が収まらない中、「今は仕事があるから大丈夫」ではなく、今後「いつまで働くか」「どのような働き方であれば長く働けるのか」などを問いかけながら、自分の予測通りにいかないケースをいくつか想定して、途中で老後資金の貯蓄状況をこまめにチェックするという作業が欠かせません。その上で、「あと何年でいくら貯める」という貯蓄計画を立て直す必要があるでしょう。

ファイナンシャルプランナーの間では、「教育費と老後資金はシーソーの関係」とよく言われます。どちらかが重くなればどちらかが軽くなる、とイメージしていただければわかりやすいでしょうか。将来右肩上がりの賃金上昇が見込まれない中、限られた範囲内でいかに家計管理をできるのか、教育費と老後資金の関係は押しつ押されつの関係であることを忘れず、どちらかが重すぎてはいけない、適度なバランスが必要であることを覚えておいてください。

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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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