保護者のみなさま

アルバイト収入をアップさせたのに、使えるお金が減ってしまう!?

2019年12月01日

レストランのテラス席

■保護者の援助だけでは成り立たない学生生活



保護者や祖父母の中には、自身が大学生や専門学生だった頃、せっせとアルバイトに励んだ記憶がある方もいることでしょう。家庭からの援助があっても、遊ぶためのお金は自分で稼ごうと考える人もいたでしょうし、仕送りだけでは生活が厳しいという人もいたでしょう。
現代の学生も同じような事情でアルバイトに励んでいますが、いくつかの調査からは、アルバイトなしでは学生生活が成り立たない様子が伝わってきます。アルバイト収入は、長期休暇のための余暇費や友達との交際費にも使われてはいますが、食費や住居費などの基本的な生活費を支えるためのものとなっているのが見受けられます。
そして、将来の奨学金破産を防ぐためにも、貸与型奨学金の利用を増やさないように心がけてアルバイトにいそしむ学生も少なくないのです。

■就職のための支出にもアルバイト



就職活動中には費用がかかると知ってはいても、具体的な金額に驚くことがあります。連日の企業訪問にかかる交通費の合計額、時間調整のために入らざるを得ないカフェなどの費用、スーツや靴などの身の回り品代などです。就職で内定をもらったら、業務で自動車運転免許が必要とわかり、あわてて教習所に通う学生もいます。目の前に支払いの必要なモノやコトがあるとき、学生が、親を頼る前にアルバイトを頑張ろうとするのは自然な姿かもしれません。
学生は、親に負担や迷惑をかけたくないと思う気持ちから、良かれと思ってアルバイトをするのですが、そのアルバイトによる影響がどこまで及ぶ可能性があるのかを知りません。親も、学業に影響がない範囲でアルバイトしているのなら、まず問題ないと考えています。



■大学生になると税金が減る



「大学生になると税金が減る」は、「扶養しているわが子が12月31日現在に19歳以上23歳未満である場合、所得から63万円を差し引いて所得税を計算していいよ」というものです。(扶養については11月の「高校生に親が教えておきたいお金の話」でも少し触れています。)わが子が高校生の時に差し引く金額は38万円なので、親の収入や家族の扶養状況など、所得税の計算に必要な条件が同じ場合、子どもが高校生から大学生になるだけで所得が25万円(=63万円-38万円)少ないものと見なしてもらえます。
一定の条件(*1)で試算すると、年収500万円で1万2,500円、年収700万円で2万5,000円の所得税の差が生じます。1年間の差額ですから、所得税が安くなった実感は持てそうもありませんが、親の可処分所得(社会保険料・所得税などを払った後の使えるお金、いわゆる「手取り額」)は増えたことになります。

では、大学生になった子どもがアルバイトを頑張った結果、「扶養条件」からはみ出てしまうと、親の可処分所得はどうなるでしょうか。
子どもが大学生で親の年収500万円の場合、扶養していない方の可処分所得が3万1,500円少なくなります。年収700万円では扶養していない方が6万3,000円減です。
中学生までの弟妹がいる場合、大学生の子どもが扶養人数にカウントされなくなることで、弟妹の児童手当の額が減ることも考えられます。月額1万5,000円が支給されているのに、所得制限によって5,000円に減ってしまうと、年間12万円の収入減です。
その他、親の勤務先が扶養手当の支給条件を「扶養」としている場合、大学生の子ども分の扶養手当が止まってしまいます。
収入を計算する期間は、その年の1月1日から12月31日です。親の扶養範囲内で働いてもらうべきか、親の収入減以上に稼いでもらう方がいいのか、学業に支障なく稼げるものなのかなど、子どもの学生生活の収入と支出について、子どもが稼ぎ始める前に、あらかじめ親子でよく話し合うことが大切です。

(*1)所得控除は妻と子3人(大学生、高校生、中学生)の扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除とする。社会保険料料率は本人負担分を15.265%と仮定。


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[菅原 直子]


菅原直子

■プロフィール 菅原 直子(すがわら なおこ)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。教育資金コンサルタントとして公私立高校での保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は250回超。神奈川県を中心に家計や保険の見直しの個人相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。セミナー記録と子育てを含む日々の雑感は、ブログ「湘南らいふでざいん」でどうぞ。

■著書
共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)
『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
子どもにかけるお金を考える会 http://childmoney.grupo.jp/
FPライフ湘南 http://shounan.michikusa.jp/


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