保護者のみなさま

奨学金~子どものライフプランから利用の有無を親子で考える~

2018年05月01日

スーツ姿で歩く人

■貯蓄不足なら、まずは貸与型での計画立案



大学・専門学校への進学資金が不足するということは、保護者の貯蓄が足りなかったということです。保護者には保護者の事情がありますから、自分を責める必要はありません。

けれど、進学を希望する子どもにとっては、人生の岐路で選ぼうとしている道が途切れることにもなりますし、進学以外の道を進むことで人生が大きく変わる可能性もありますから、「足りませんでした」「はい、そうですか」で済ませていいものでもありません。

進学資金が足りないとき、学業のために必要なお金を用立ててくれる「奨学金」の利用を思い立つのは当たり前のことと言えるでしょう。

奨学金は、返済不要の「給付型」と、返済しなければならない「貸与型」があります。

給付型は貸与型に比べると利用条件が厳しいため、利用できれはラッキーくらいに考えて、まずは貸与型で資金計画を立てましょう。

もちろん、貸与型も必ず利用できるわけではありませんが、給付型に比べると比較的利用しやすいので、貸与型で計画を立てるのが現実的です。

この場合、借りる金額を考えるのと同時に、返済をする卒業後のことも考えます。

返済額と、子どもが人生を送るために必要なお金はどれくらいなのか、それらに見合う収入を得るには、どのような働き方をすればいいのか、ということを考えるのです。


■子どものライフプランを親子で共有



将来を考えるとき、子どもだけにまかせるのは、少々、無理があります。

家計をやりくりした経験がないのですから、家賃の相場やお米の値段を調べたとしても、生活に必要な諸々のお金のシミュレーションは、現実とかけはなれた結果になることが多いからです。

保護者なら、家計を切り盛りしてきた経験から、的確なアドバイスができるはずです。貯蓄をしようとしても、何がどのように難しかったのか、時には保護者の失敗とその対応策を伝えることが、子どもの役に立つこともあるでしょう。

大学卒業後に就こうと考えている仕事はどれくらいの給料を見込めるのか、奨学金の返済をしても生活費は足りるのか、貯蓄はできるのかなどを、表に書き出してみます。

親子で話すだけでなく、必ず紙に書き出してください。エクセルなどの表計算ソフトを使うと、収入や支出の合計も預貯金の金利などを考慮した計算も簡単にできますから、便利です。印刷をして、子どもの長い人生を一覧にして見ると、お金の面で上向きなのか、下向きなのかがわかります。

シミュレーションは何回でもしてみます。最低でも、人生がうまくいく最良バージョンと、うまくいかない最悪バージョンの2つを作ります。現実のお金の流れは、この2つの間のどこかにあると考えられるからです。

奨学金貸与額を希望額どおりにすると、子どもの未来のお金の流れが下向きになる場合は、毎月の貸与額を1万円減らすことで、最悪バージョンから抜け出せることもあります。

奨学金を借りずに、働いてお金を貯めてから進学するという選択につながることもあるでしょう。

将来の子どものお金のことを考えることは、子どもの大学・専門学校選びと同じくらい大切なことなのです。

面と向かってライフプランを語るのは気恥ずかしいかもしれませんが、ぜひ、大真面目に親子で考えるようにしてください。


■保護者のライフプランを「最悪のケース」で立ててみる



貸与型奨学金を利用した子どもが、将来、返済に苦しんで、自己破産という道を選ぶ可能性はゼロではありません。

保護者が連帯保証人になっている場合、子どもが返済できなければ、保護者が返すことになるのですが、高齢になって収入が少ないと返済は難しいはずです。保護者も自己破産する可能性がないかどうか、保護者のライフプランも立ててみるといいでしょう。

*奨学金制度の代表格である「日本学生支援機構」の奨学金は、返すことを「返還」と表記します。その他の奨学金制度でも「返還」を使うことがありますが、すべてではありません。借りたお金を単に返すという意味合いでは「返済」ですので、この原稿では「返済」としました。


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菅原直子

■プロフィール 菅原 直子(すがわら なおこ)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。教育資金コンサルタントとして公私立高校での保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は250回超。神奈川県を中心に家計や保険の見直しの個人相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。セミナー記録と子育てを含む日々の雑感は、ブログ「湘南らいふでざいん」でどうぞ。

■著書
共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)
『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
子どもにかけるお金を考える会 http://childmoney.grupo.jp/
FPライフ湘南 http://shounan.michikusa.jp/


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