保護者のみなさま

親として押さえておきたい大学院の基本

2017年09月01日

古い建物の入り口

■意外と?ポピュラーな存在・大学院生

大学生と聞いて驚くことはありませんが、大学院生と聞くと「おお、凄いですね。」と思わず口にしてしまいます。実際、大学院生はどれくらいいるのでしょうか。先月発表された文部科学省の「平成29年度学校基本調査(速報値)」によると、本年5月1日現在、総学生数約289万人のうち、大学生は約258万人、大学院生は約25万人、その他約6万人となっています。いわゆる"学生さん"のうち、8~9人に1人は大学院生という事になります。意外と多いのですね。
また、同じ調査によれば、大学から大学院への進学率は11%で、およそ1割の子にはさらに教育費がかかるという状況です。特に理工系学部の卒業生は約4割が大学院に進学すると言われています。

■研究者の養成・一般大学院と高度専門的職業人の養成・専門職大学院

日本の大学院教育システムはやや複雑なうえに、時代の流れとともに多様化しています。まずは基本となる仕組みや種類を押さえましょう。
現在、大学院は一般大学院と専門職大学院の2種類に分けられます。(資料1)昔からある一般大学院に対し、専門職大学院は2003年に設置されました。これは高度専門職業人の養成を目的としたもので、司法制度改革の一環として鳴り物入りで開設された法科大学院はここに属します。

日本の大学院の主な仕組み
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他にも、主に社会人大学院生への配慮になりますが、通常2年の修士課程を1年で履修できたり、逆に3~4年かけられたり、通信制、昼夜開講制、夜間など、さまざまな学びのスタイルがあります。

■実際の大学院の学費



では、基本的な大学院の仕組みを押さえたうえで、いくつかの学費例をご覧ください。
国立の場合、標準額が設定されているため、ほぼどの大学院でも同じ金額です。但し、法科大学院の場合、年間授業料は高く、標準履修年限は3年となります。(資料2)

東京大学 大学院の入学料・授業料
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一方、私立大学院の場合、学校や研究科ごとに学費は大きく異なります。ここでは早稲田大学院と立命館大学院の一部を抜粋してご紹介します。(資料3、4)

立命館大学院 学費(一部抜粋)
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早稲田大学院 学費(一部抜粋)
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■大学と比べて大学院は奨学金制度や助成制度が充実している

前述のような高額な学費に対し、ほとんどの大学院で独自の奨学金制度や助成制度を手厚く用意しています。
また、JASSO・日本学生支援機構には、大学院で第一種奨学金の貸与を受けた者の3割を上限として、在学中の成績優秀者を対象に、貸与終了時に奨学金の全部または一部の返還を免除する「特に優れた業績による返還免除制度」があります。"特に優れた"という部分が気になるところですが、実際の認定結果をみると、比較的可能性は高いといえます。(資料5)

平成28年度 特に優れた業績による大学院第一種奨学生返還免除の認定
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このように大学院ではさまざまな学費のサポート制度がありますので、入学を検討する場合、並行して調べていくと良いでしょう。

■大学院のその先、子の場合



では、コストをかけて大学院で学んだ分、リターンはあるのでしょうか。特に理系は院卒のほうが就職に有利と言われていますし、初任給は平成28年の場合、院卒は大卒より約3万円上回っています。

男女計   大学院修士課程修了 23万1,400円
      大   学   卒  20万3,400円
(厚生労働省 「平成28年賃金構造統計調査(初任給)概況」より)

このまま生涯年収も院卒のほうが多いかと言えば、その後の昇給等は本人の能力次第というところが大きいので、データだけで一概に結論付けるのは難しく感じます。

■大学院のその先、親の場合

大学院卒業までにかかる教育費は、親のキャッシュフローに甚大なインパクトを与えるはずです。しかし院卒の肩書で高収入を得るのは、基本的にお子さん本人であることを、親はしっかりと把握しておかなくてはなりません。それどころか、就職が遅かったため、結婚や出産などのライフイベントが後ろ倒しとなり、親が高齢になってから住宅や教育資金等、まとまった援助をお願いされる事態も考えられます。
そのような不安に備えるためには、何より自助努力が必要なのですが、まずは家庭の収支情報を書き込んだ年表を作成し、将来的な預貯金の過不足をざっくりと予測することをおススメします。
もし老後資金が不足する見当がついたのなら、教育費については、給付型の奨学金や助成制度を駆使してなるべく支出を抑える努力をしていきましょう。
子どもの教育費と親の老後資金、共に不安なく備えるには、早めの行動が必要となります。



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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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