保護者のみなさま

卒業後のライフプランにおける奨学金

2016年05月01日

奨学金を借りての進学、常にお金のことを気にかけながらの学生生活は、親子で気の休まらなかったことでしょう。途中で投げ出すことなく卒業した学生はもちろん、見守り、応援してきた保護者・祖父母の方々もおつかれさまでした。

卒業後は、奨学金の返済が待っています。初任給をもらったばかりの新社会人がどのように生活をし、長い人生の中で返済と付き合うのか確認しておきましょう。

■返済は卒業半年後から



日本学生支援機構の奨学金の返還は、貸与終了6カ月後に始まります。2016年3月の卒業と同時に借り終わった学生であれば、この10月から返還スタートです。

毎月の返還額は、借りた期間と金額と利率によって決まります。次の表は、2016年3月貸与終了者の返還例です。

表.日本学生支援機構の返還例

日本学生支援機構ホームページ「奨学金貸与・返還シミュレーション」により作成
※クリックすると拡大
利率は、卒業時に決まります。2016年3月貸与終了者の適用利率は、「利率固定方式」0.16%、「利率見直し方式」0.10%。1年前は固定0.63%、見直し0.1%、2年前は固定0.82%、見直し0.2%なので、マイナス金利の影響もあるのか、だいぶ下がっています。

第二種で月額12万円を4年間借りた場合、利率0.1%と金利上限の3%の総返還額の差は約193万円。返還期間は20年ですから、1年間あたりの差は約10万円です。

同じ奨学金を利用して同額を借りたにもかかわらず、返還額には差が生じます。

■まず、収入の範囲で暮らすこと



大学卒の初任給は約20万円。社会保険料や所得税が天引きされ、手取り額はもっと少なくなります。10月からは奨学金の返済が始まるので、9月までに奨学金の返還込みの生活に慣れるようにしておきましょう。4月から、奨学金の返済をしているものとして支出を管理するのです。

一番長い人で、20年間続く返済期間。社会人人生の前半は、奨学金分は使えないお金として金融機関の口座に残しておかなくてはなりません。
貸与型の奨学金は「借金」です。クレジットカードの未返済分や、自動車を月賦で購入したローン残債などと同様です。

もし、働き始めて10年後、住宅を購入しようとするとき、本来は3000万円を借り入れるだけの社会的な信用を持っていたとしても、奨学金が300万円残っていると2700万円分しか貸してもらえないことになります。

人生の収入や支出すべてを予測するのは、本人でも不可能です。しかし、完璧には無理でも、おおよその目安をつけることは可能です。それらを書き出してみることで、未来にわたって、どのように自分のお金が動くのか予測がつけば、どこで節約する必要があるのかも見えてきます。

奨学金を予約しようとしている高校生に対して、私がするたとえ話に次のようなものがあります。

大学を卒業して1年後に結婚し、その1年後に子どもが生まれたとします。奨学金の返済は、その子が高校3年生、つまり今のみなさんと同じ年齢になるまで続きます。毎月の返済例を見て、これくらい返せると思ったとしても、それが20年間も続くと、子どものための貯蓄が難しいかもしれません…

これは、借りてでも自分の未来を切り開いていくために進学を選ぶのなら、卒業後の人生についても考えてほしくてする話です。ぜひ、最低でも卒業後20年間のライフプランをたてるようにしてください。

■返還が難しいときは、待ってもらう手続きを



借りた奨学金は必ず返還しなくてはなりません。けれど、就職できなかったり、病気になったり、収入が一定額よりも少なかったりする場合は、願い出ることで奨学金の毎月の返還額を半額にしてもらったり、一定期間先送りが可能です。その分、借金を抱える期間は長くなりますから、安易なおすすめはしませんが、ライフプランを見通して、この時期だけ助けてもらえればナントカナルということが分かれば利用する意味は十分にあります。

奨学金の利用を検討する際は、返還開始後のことも含めて、親子で十分に考えておきましょう。


[菅原 直子]


菅原直子

■プロフィール 菅原 直子(すがわら なおこ)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。教育資金コンサルタントとして公私立高校での保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は250回超。神奈川県を中心に家計や保険の見直しの個人相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。セミナー記録と子育てを含む日々の雑感は、ブログ「湘南らいふでざいん」でどうぞ。

■著書
共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)
『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
子どもにかけるお金を考える会 http://childmoney.grupo.jp/
FPライフ湘南 http://shounan.michikusa.jp/


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