高校生(受験生)のみなさま

併願校&受験スケジュールの組み立て方

2014年11月1日

秋も深まり、一般入試の季節が少しずつ近づいてきました。冬に受験をする高校3年生の皆さんは、そろそろ最終的な出願先を決めていく時期。でも、どんな風に決めれば良いのでしょうか?
『蛍雪時代』2011年11月号によれば、受験生が出願する大学の数は「1~2校」が37%、「3~5校」が32%、「6~9校」が18%、「10校以上」が13%。5校以下という方が多いんですね。一般入試の受験料は3万円から3万5千円程度と、決して安くありませんので、多く出願すると費用の負担も大変です。かといって、少なすぎるのも不安。悩んだ結果、2~5校くらい……と考える方が多いのでしょう。

以下のように受験先を「センター試験」+3つの「志望大学群」に分け、これらを上から順番に受験できるようにするのが、最もオーソドックスな組み立て方です。

(1)大学入試センター試験(通称・センター試験)
(2)滑り止め校(第三志望群)
(3)実力相応校(第二志望群)
(4)チャレンジ校(第一志望群)

国公立大学志望者には原則として必須で課されるセンター試験ですが、多くの私立大学もセンター試験の得点を元に合否を判定する「センター利用入試」を実施しています。一般入試での大学受験を考えているなら、基本的にセンター試験を受けて損はありません。今回のセンター試験実施日は、2015年1月17日(土)、および18日(日)。学力の基礎を問う問題が多く勉強がしやすいですし、受験の感覚をつかむステップとしても最適です。
その後は、第一志望となるチャレンジ校に目が行きがち……ですが、受験の感覚が掴めていないうちにいきなり本命校とぶつかっても、緊張や焦りなどで実力を発揮しきれないかもしれません。可能であれば、合格可能性の高い志望校から順番に受験できると理想的。少しずつ自信をつけたり、自分の学習に足りていなかった点に気づいたりしながら、充分な準備を進めていきましょう。

高校生の皆さんに、特に大事にして欲しいのは、実は「第二志望群」「第三志望群」の選び方。第一志望に合格するための単なるステップ、あるいは落ちたときのための保険……なんて考えていると、進学することになったとき、後悔するかもしれません。
実力相応校である第二志望群の大学は、リアルに考えれば、あなたが進学する可能性が最も高いところ。ここを「偏差値が手頃だから」といった理由で適当に選んで良い訳はありません。第一志望大学についてはオープンキャンパスを見たり、大学案内をじっくり読んだりしたけど、第二志望の大学は行ったことがない……というのは、ちょっと危険な状態です。
「MARCH」や「日東駒専」など、受験業界でよく使われているグループの呼び名がありますが、「MARCH」と呼ばれる明治、青山学院、立教、中央、法政の教育環境は、実際には全然違います。また、たとえば立教大学の中でも、学部によって授業のスタイルや学生の姿勢にはかなりの差があるのです。「偏差値が同じならどれでも似たようなものだろう」なんて絶対に考えず、必ず大学の普段の授業を見たり、先輩大学生の意見などを集めたりしておきましょう。最近は入学後の中退率など様々な教育データも公開されていますので、こうした情報を参考にするのもオススメです。

最近では「全学部入試」といった名称で、1回の試験で複数の学部へ同時に出願できる大学が増えています。「もしA学部に落ちても、B学部で受け入れてくれる可能性がある」というのは、受験生にとっては安心の仕組み。大学にとっても多くの受験生を安定して集められるなどのメリットがあります。でも、2点ほど気をつけたい点があります。
第一に、全学部入試はあなただけでなく、「誰にとっても」出願しやすい仕組みです。その分、各学部が行う個別の入試に比べて競争率が上がるなど、人気の学部に合格する可能性が低くなるケースも珍しくないのです。便利なものほどデメリットもある、という点にご注意ください。
第二に、「行きたかった経営学部には落ちたけれど、法学部なら合格らしい。まあ法学部でもいいか」という展開になりがちなのが、全学部入試のような仕組みです。でも、こうして安易に進学先を選んだ結果、大学での学びに興味がわかず、結局中退してしまう大学生がいま増えているのです。一旦は受験で合格した大学に入学し、その後「これは自分が求めていた内容じゃない」と気づき、センター試験を再受験した人が、2013年の時点で4万人。大学生のセンター試験再受験者は、この9年間でなんと60倍に増えているのです。
センター利用入試、全学部入試、併願による受験料の割引など、出願の仕組みは年々、便利になっています。お得な部分もありますが、本当に学びたいことは何なのか、あまり関心のない学部に進学しようとしていないかを、ぜひ見失わないようにしてくださいね。
自分の夢を叶えるために、受験の仕組みを賢く活用しましょう。

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[倉部 史記]


倉部史記

■プロフィール 倉部 史記(くらべ しき)


大学・高校や企業、NPOと連携し、高校生の進路選択を変える取り組みを展開する、進路づくりプロデューサー。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。企業広報の企画・プロデュースを手がけた後、私立大学スタッフ、大手予備校の主任研究員や企業の人財採用責任者などを経験。NPO法人NEWVERYフェロー(高大接続担当)、WEEKDAY CAMPUS VISITディレクター。主体的学び研究所フェロー、「これからの大学広報・高大接続実践研究会」代表。

著書:
『看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混淆』(中公新書ラクレ)
『文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」』(主婦の友新書)

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