高校生(受験生)のみなさま

文系か理系か、どうやって決める?

2014年9月1日

7割以上の人が普通科の高校に入学している現在。入学後にやってくる文理選択が「何を学びたいか」を自分で決める最初の機会だという方も、少なくないでしょう。現在は2年生から文系、理系それぞれのコースに分かれる高校が多く、その場合、1年生の秋頃までに文理を決めるのが一般的のようです。

文理選択の結果は大学受験や、卒業後の進路に大きく関わってきます。文系コースでは国語、英語、社会科を中心にカリキュラムが組まれますが、これは大学受験の際、文学部や経済学部、法学部など、いわゆる「文系学部」が課す入試科目に対応しています。一方、理系コースでは数学や理科の授業の割合が高いほか、より高度な内容を扱う「数学III」を履修。こちらも理工系や医療系など、大学の「理系学部」を受験する際に問われる入試科目に対応したものです。大学に限らず、たとえば機械や電気などの理工系、看護など医療系の進路に就こうとすれば、専門学校でも当然、理系科目の知識は欠かせません。

高校卒業後に進学する学部やコースなど、志望する進路が先に決まっている方は、文理選択で悩むことはあまりないでしょう。でも高校1年生の段階では、そこまで進路が明確でない人の方が多いはず。そういう場合は、どのように文理を決めれば良いのでしょうか。

大学受験で不利にならないようにと、「1学期の数学の点が悪かったから文系しか無理」「英語は苦手だから理系だな」のように、苦手なものを避ける消去法の発想で文理を選ぶ人がいます。でも私は、この選び方はあまりオススメしません。たまたま1学期の数学の点数がイマイチだったという理由で文系を選んだとしても、もしかするとこの先、医療やものづくりに興味がわくかもしれません。今回は、数学を担当する先生との相性が悪かっただけという可能性もあります。安易に、苦手科目を基準に進路を決めた結果、後に悔やむことになったら、もったいないですよね 。 それに実際には、経済学部や経営学部など「文系」とされる学部でも、数学が必要な授業は少なくありません。また日本の製造業はいまや海外に工場を持ち、海外で売るための製品を作っていますので、メーカーで働く技術者達には高度な英語力が求められています。文理どちらを選んでも、数学や英語は大事なのです。

そこで私がオススメしたいのは、「何を学んでいるときにワクワクするか」という選び方です。

たとえば、物理の問題を解くのが面白いから理系にしよう、歴史の授業がいつも楽しみだから文系に行こう……など、好きな科目で選ぶのはアリです。興味の持てないことを嫌々学ぶよりは、知的好奇心を刺激される時間を送る方が、誰だって楽しいですよね。大学進学を考えている場合はなおさらです(大学ではその分野を4年間、ずっと専門的に学んでいくわけですから)。 大学教授が書いた本が面白くて一気に読んでしまったとか、高校の授業で途上国の経済について調べる時間が楽しかったとか、様々なところにワクワクの種は隠れています。大学や専門学校は、オープンキャンパスで模擬授業を行ったり、「WEEKDAY CAMPUS VISIT」などで普段の授業を高校生に公開したりしています。こうした機会にも足を運んでみましょう。「意外と面白いな!」という発見があるかもしれません。

ただし、ひとつだけ注意しておきたい点を。表面的な言葉の響きだけで、志望を決めつけないでください。たとえば「僕は環境問題の解決に携わりたいから理系だな」という人がいます。理系の科学者や技術者として取り組むつもりなら確かにその通りですが、経済学や政策科学の観点から環境の保護や再生について考えるというアプローチも世の中にはあるのです。「宇宙開発に関わりたいから理系」という人も、ちょっとストップ。NASAやJAXAでは文系の人もたくさん働いていますし、宇宙に関わる仕事は想像以上に幅広いんですよ。「国際的な仕事がしたいから、文系の国際学部へ」という人もいますが、前述の通り、実際には理系の技術者がグローバル経済の最前線で活躍しています。 「宇宙」「環境」「国際」といったキーワードだけで安易に決めつけず、そこから一歩踏み込んで、どのようなアプローチが自分にとって最もワクワクするのか……と考えてみてください。

現在はAO入試や推薦入試など、筆記試験の科目にとらわれない方法で学生を募集する大学が増えています。また「文理融合型」といって、文理どちらの科目でも受験できる学部や学科も増加傾向にあります。もしも気になる学部や学科が出てきたら、入試のスタイルを確認してみましょう。もしかすると、文理どちらからでも進学できるかもしれませんよ。 それに実際のところ技術者や、国家資格が必要な医療職など一部の職種をのぞけば、世の中の仕事は必ずしも文・理に分かれていません。理系出身の法律家や銀行員もいますし、文系出身のシステムエンジニアや建築デザイナーもいます。出版社にもメーカーにも、福祉や行政の現場にも、文・理両方の出身者がいます。「本気で学ぶ」経験が、あなたを大きく成長させます。いま現在のテストの点数だけではなく、「ワクワク学べるかどうか」もぜひ、文理選択では大事にしてください。

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[倉部 史記]


■プロフィール 倉部 史記(くらべ しき)


大学・高校や企業、NPOと連携し、高校生の進路選択を変える取り組みを展開する、進路づくりプロデューサー。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。企業広報の企画・プロデュースを手がけた後、私立大学スタッフ、大手予備校の主任研究員や企業の人財採用責任者などを経験。NPO法人NEWVERYフェロー(高大接続担当)、WEEKDAY CAMPUS VISITディレクター。主体的学び研究所フェロー、「これからの大学広報・高大接続実践研究会」代表。

著書:
『看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混淆』(中公新書ラクレ)
『文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」』(主婦の友新書)

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