祖父母のみなさま

大学生の一人暮らしの費用と親の心構え

2020年01月01日

ワンルーム

元号が令和となって初めての大学受験シーズンを迎えました。この時期、受験生の親御さんは、お子さんの合否についてはもちろん、進学費用についても気を揉んでいることでしょう。まして遠方の大学へ進学予定なら、一人暮らしの費用も大きな不安要素となります。まとまった金額になりますので、あらかじめ費用の目安をつかみ、計画的に準備しておくことが大切です。

■国公立大学の学生に多い一人暮らし



そもそも、大学生で自宅外通学をしている人はどれくらいいるのでしょうか。日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査結果」によれば、国公立大学(昼間部)に通う場合は約64%、私立大学(同)の場合は約35%の学生が、学寮・下宿・アパートなどに住んでいます。一人暮らしをしている学生の割合は、国公立大学で高いようです。

■家賃の地域差に注意

大学生の一人暮らしにはどれくらいかかるのかみてみましょう。まずアパートの敷金や家財道具の購入などの初期費用として、平均37.4万円かかります(日本政策金融公庫・平成30年度教育費負担の実態調査結果より)。また、1か月の生活費は、13万円弱となっています。(資料1)
1か月の支出〈下宿生〉(2018年)

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統計の数字を参考にする場合、地域差の大きい家賃には注意が必要です。学生向けワンルームや1Kならば、家賃は全国平均的には4万円台ですが、東京都内ではぐっと高くなり、条件によっては6~7万円台となってしまうこともあります。大学が大都市圏に集中してしまっているため、地方在住の場合は家賃の高いエリアでの一人暮らしを選択せざるを得ません。家賃を抑えるためには、早めに物件探しに動いたり、最寄り駅が各駅停車しかとまらないエリアの物件を選んだり、などの努力が必要になってきます。

■仕送り額はいくらにするべき?

対して収入はどうかというと、一人暮らし学生の主な収入は、仕送り・アルバイト・奨学金の3本柱。中でも仕送りがメインになります。全国大学生活協同組合連合会の「第54回学生生活実態調査」によれば、2018年の平均仕送り額は71,500円でした(資料2)。
1か月の収入〈下宿生〉

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ただ、同じ統計資料によれば、仕送り金額分布については、5~10万円が全体の33.5%で最も多く、次いで10万円以上が28.4%となっています。ひと月10万円以上と聞くとかなり多いように思いますが、前述のように、東京都内だと平均仕送り額ではそのほとんどが家賃として消えてしまいます。都内へ仕送りするなら、家賃+食費・光熱費の最低限をカバーするだけでも、平均額に2~3万円の上乗せは必要になってきます。
親としては、仕送り額を増やすと自分たちの生活が苦しくなり貯蓄もままならない。かといって、子どもがアルバイトに追われて学生生活に支障をきたすようでは本末転倒になる―。
仕送り額をいくらにするかは非常に悩むところです。親世帯のキャッシュフローと子どものアルバイト代を考慮し、平均額にとらわれることなく我が家の適正金額をはじき出してください。順序として、それでも足りない場合に奨学金の借り入れ等を検討します。

■臨時費用も忘れずに把握しておく

また、臨時費用も頭の痛いところです。これらは居住形態に関わらず発生するものではありますが、毎月の仕送り額では賄えないのが心理的・経済的に辛いところ。例として教科書代、パソコン代、留学費用、ゼミ・サークル合宿費、帰省費用等が挙げられます。在学中にキャンパスが変わる(いわゆる学年割れ)場合、さらに引越しが必要になるケースもあります。これらの費用は入学時点である程度分かっているはずですのでその時になって慌てないよう、早めに準備しておくほかありません。

■教育資金のその先を視野に入れておこう

ここまでの費用をまとめてみると、一人暮らしの初期費用37.4万円に平均的な仕送り額の4年間分343.2万円を加えて約380万円。これとは別に学費として、仮に4年間で約400万円とすれば、約780万円となります。これに臨時費用も合わせると、子ども一人に4年間でざっと約800~900万円かかると見積もることができます。もし二人目もとなると、さらに倍ということになります。
子どもの自宅外通学は、間違いなく親のキャッシュフローに大きな影響を与えます。お子さんにその可能性があるなら、まずは親世帯が家計の状況を把握し、キャッシュフロー表を作成するなどして、長期的視点で検証してみましょう。ポイントは親世帯の老後資金。いくらまでなら自分たちの老後資金を確保しつつ教育資金として出せるのか、あらかじめ具体的な金額を割り出しておけば、教育費の掛け過ぎを防ぐことができるので有効です。


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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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