祖父母のみなさま

親に万が一のことがあっても、子どもに学業を諦めさせない備えを

2019年10月01日

デスクワーク

お子さんが大学や専門学校在学中に、世帯主(=主な稼ぎ手)が亡くなり収入が途絶えるなどという事態はあまり考えたくないものです。しかし、子育てに最もお金のかかる時期と言われているように、授業料、教科書代、仕送りなど、かかる費用はどれも高額なものばかりですから、きちんと備えておかないと大変なことになります。経済的理由でお子さんに学業を諦めさせることにならないよう、しっかり考えてみましょう。

■死亡時のお金① 生命保険



死亡時に支払われるお金として真っ先に思いつくのは生命保険です。「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によれば、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は88.7%、世帯の普通死亡保険金額は平均2,255万円となっています。
この保険金額はあくまで平均ですので、掛けるべき保険金額(=必要保障額)はご家庭の家族状況によって個別に異なります。必要保障額は遺された家族が経済的に困らない暮らしができるよう、遺族年金などでは補えない部分に備えるというのが基本的な考え方です。一般的に、子どもが小さい時期が必要保障額として最も高く、成長が進むとともに徐々に少なくなってきます(資料1、資料中のオレンジ部分は該当時期に必要な学費)。

子どものいる世帯の必要保障額の変化(イメージ)
※クリックでPDFを表示
仮にお子さんが高校生で、すでに大学・専門学校等の教育費が学資保険等で準備できているなら、必要保障額は遺族の生活費分のみとなります。それに対して加入している保険が多いなら解約・減額しても良いと考えられるでしょう。
確かにそうではあるのですが、もし想定している教育費の額が一般的な統計資料に基づくものでしたら、個別に「我が家の場合」で検証してみましょう。以前は想定していなかった一人暮らしや留学、大学院進学等の可能性が出てきたなら、準備した額で足りるのか確認してください。もし足りないなら、実際に不足分を準備しなくてはいけませんし、同時に、準備できる前に万一のことがあった時のためにも、保険を見直しておくと万全でしょう。

■死亡時のお金② 死亡退職金・遺族年金

あまり耳にしないかもしれませんが、会社員が在職中に死亡した場合、残された遺族は死亡退職金を受け取れる可能性があります。これは故人が受け取るはずだった退職金を遺族が受け取るものです。ただし、会社員なら誰でも受け取れるわけではありません。退職金制度がある企業で、なおかつ死亡退職金の規定がある企業に勤務していた場合に限ります。
勤務先に退職金制度があるかどうかはご存知の方が多いと思いますが、念のため死亡退職金の規定の有無も確認し、その金額も確認しておきましょう。死亡退職金は比較的まとまった額になることが多いので、遺された家族の生活費や教育費にかなり役立つはずです。
また、公的年金からは遺族年金が支給されます。自営業やフリーランス世帯は遺族基礎年金、会社員や公務員は遺族基礎年金+遺族厚生年金を受給できます。ただし、遺族基礎年金が支給されるのは、一般的に高校生以下のお子さんがいる間までです。大学生・専門学生のお子さんをお持ちの自営業・フリーランス世帯では、充分な対策を講じておきましょう。

■死亡だけでなく、働けなくなった時にも備える

ここまでは親が死亡して収入が途絶えるというケースについてでしたが、実際は病気やケガ等で働けなくなり、収入が大きく減る・途絶えるケースの方が多いでしょう。
最近は働けなくなることのリスクが認知されてきたこともあり、そのリスクをカバーする保険商品が次々と発売されています。以前から損害保険会社が所得補償保険を取り扱っていましたが、生命保険会社を中心に就業不能保険のラインナップが増えています。しかし、各社で名称や定義、保険金基準などがまちまちで、比較検討が難しいのが現状です。加入を考える際は、専門知識のある方に相談してください。

■お子さんに学業を諦めさせない

文部科学省の「学生の中途退学や休学等の状況について」によれば、平成24年度に大学を中退した理由で最も多いのが「経済的理由」で20.4%でした。大学中退者はその後非正規雇用で働く割合が高く、そのため収入が低く、年金も貯蓄も少ないという負のスパイラルに陥りやすくなってしまいます。
経済的理由で授業料の納付が困難と認められた場合、大学によっては授業料免除や救済措置の制度があります。また、大学生協では就学費用保障保険や扶養者所得保障保険といった保険商品を取り扱っており、加入しておけば、もしもの時の学業継続に役立つでしょう。
お子さんに経済的理由で学業を諦めさせないためにも、事前にしっかり備えておくべきであることは言うまでもありません。


そのほかのオススメ記事
お金の知識をつけて教育資金を貯めよう
保護者を頼らない進学~民間企業や学校からの応援を得る~

[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


学校情報検索しよう!

  • 大学・短大を探す
  • 専門学校を探す
  • 塾・予備校を探す
  • 学びから学校を探す
  • 将来から学校を探す
  • 進学イベントを探す
  • ラクラク一括資料請求
  • 資料請求コードで一括請求

PR

今すぐチェック!! 編集部オススメ記事

中学高校を探すならこちらから

ページの先頭へ