祖父母のみなさま

アルバイトで学費を稼ぐ~その時親ができること~

2019年01月01日

コーヒーを注ぐ店員

2019年も幕を開け、いよいよ受験シーズン本番となりました。この時期、これからの学費のことで頭を悩ませているのは親だけではありません。自分の学費は自分でアルバイトをして稼ぐ予定の受験生は少なくないのです。
アルバイトと学業の両立は、学生にはかなり負担となるはずです。実際、途中で挫折してしまう子もいます。それを回避するためにはどうすれば良いでしょうか。

■大学でかかる費用はケースバイケース



まず、進学先によって稼がなくてはならない金額は大きく変わってきます。国公立か私立か、さらに文系か理系か。また、自宅通学か一人暮らしかによっても大きく差が生じてきます。当然、自宅通学で学費のみ本人負担の場合と、一人暮らしで学費から生活費まで一切親の援助なしの場合とでは、学生生活の様子はまるで違うでしょう。

資料1
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■平均的な学生アルバイトの労働時間と収入

一方、今どきの学生のアルバイト収入はいくらくらいでしょうか。全国学生生活協同組合連合会が2017年に実施した学生生活実態調査によれば、自宅生の一か月のアルバイト収入は37,920円、下宿生の場合は28,770円でした。ここから労働時間を推測してみます。
(株)リクルートジョブズが発表した「2018年10月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査」によれば、3大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給額は1,047円です。自宅生のアルバイト月収をこの数字で試算すると、ひと月当たり約36時間。平均的には、1日3時間のアルバイトを週3日程度しているイメージです。
ただ、この収入では、学費や生活費としては足りないですね。実際には、奨学金とアルバイト代の合わせ技で必要な金額を調達する学生が多数派です。

■本来の目標を見失わないようにしよう

もし奨学金を利用しなかった場合、それはほぼアルバイト漬けの日々になることを意味します。仮に私立文系の場合で、年間授業料・施設設備費の合計額(916,100円)を稼ぐために必要な労働時間を、先ほどの平均時給額で考えてみます。月に約73時間働く必要があり、1日5時間働いたとして、週4日程度シフトを入れなくてはなりません。もしも生活費も自分で賄う必要があるなら、大学の年次や学部、あるいはアルバイトの時給にもよりますが、学業との両立は相当ハードでしょう。それが原因で、単位を落とす・留年する・退学する等、本末転倒な負の連鎖に陥りがちです。
ところが、奨学金の返還に苦しむ人達の実態が、「奨学金破産」などとマスコミ等で取り上げられ、最近では奨学金の受給率は減少傾向です。

資料2
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以前は、奨学金を「申請すればもらえるお金」と誤解する人も珍しくありませんでした。返済義務のある借金であることが周知され*、申請する前にきちんと検討する人が増加した結果なら、この傾向をプラスに考えるべきでしょう。あるいは賃金水準が上昇傾向の中で、親の収入が増え、単純に奨学金の借り入れが不要になったということも考えられます。
しかし、受給率減少の原因が、マスコミ報道による「奨学金=悪」という単なるイメージによるものだとしたら、それはあまりにも安易。もっとも大切なことは、負の連鎖を起こさずに卒業することであり、それには奨学金の借り入れが非常に有効な手段であるからです。
きちんと制度を理解したうえで、奨学金を主な収入にしつつ、学業との折り合いをつけながらアルバイトもしっかりこなしていく。卒業時にそのアルバイト代を一部繰り上げ返済に充てて総返済額を減らすことで、在学時と卒業後の両方の負担を可能な限り抑えるようにします。

*注 返済義務のない奨学金もあります。

■親が子どもにできること

アルバイトで学費を稼ぐ理由として、親の経済的理由ではなく、「親の義務は高校まで」「自立を促すため」「社会勉強のため」等の、考え方・育て方による場合もあるでしょう。各家庭で価値観は違いますから、そこに異を唱えるつもりはありません。
しかし、学費は親が出すという考え方が主流の中で、学生生活を満喫している友達を横目に自分はアルバイト漬けの日々-。何もしないと子どもの中に不平等感、不満、怒り等の感情が生まれ、親子間で禍根を残すことになりかねません。理由は何であれ、学費負担を本人に委ねるならば、親は十分な時間をかけ、なぜそうしなくてはならないのか、まず本人にしっかり説明することが大切です。そして学業と両立する苦労が、本人の中で貴重な人生経験へと繋がっていくよう、精神的サポートという形で支えてあげてください。

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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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