受験生のみなさま

家庭学習の習慣をつけるためにすべきこと(2)

2019年10月01日

机の上のstudyの文字

家庭学習を始めたものの、最初は調子よかったのにあっという間にだれてしまって…。そんな話をよく聞きます。でも、だれてしまったと気付いたにも関わらず、親が何も手を打たずそのままにしてしまったというのが多いようです。
せっかく家庭学習を始めたのに、手を打たずに続けさせることを諦めてしまうのはもったいないです。家庭学習を継続し学力をつけていくために、どんなことができるのか、見ていきましょう。

■具体的な目標を設定する
これは前回、簡単に触れましたが、今回は具体的に述べたいと思います。
家庭学習が停滞する理由に、「漠然と勉強している」ことがあります。毎日、一定ページ数のドリルや問題集に取り組もうと決めたものの、親子共に「何のためにそれをやるのか」という目標を忘れてしまうケースです。
この時に「将来役立つから」と口にしてしまう親は少なくないと思いますが、子どもにとって遠い未来のことは想像が難しいものです。未来に役立つと言われても、それをモチベーションに頑張れる子は少ないでしょう。そこで、時間的にそう遠くなく、親子ではっきりとわかる形の目標を立てるとよいです。
家庭学習の教材を選ぶ際に、なぜこの教材に取り組むのかを親子で共有し、それと同時に到達目標を設定します。今は書店に行けば多種多様な教材が手に入りますが、子どもが気に入ったからだけで選ぶと、効果がついてこないこともあります。子どもの好みに加え、なぜこの教材にするのか、親は考えをしっかり持っておきたいものです。
その上で、短期・中期・長期的な目標を定めます。

◎期限…○月○日までに○ページまで終わらせる(ペース配分の把握、量の確保)
◎正答率…○問中○問正解、○点合格
◎スピード…同じレベル、スタイル、量の問題を、どれだけの時間で解けるか
◎検定試験(英検、漢検、数検・算検)…公的な認定(学年ごとの学習内容の定着度)

表にして貼ったり、カレンダーに書き込んだりして視覚に訴えるようにすると、親子で意識できるのでよいでしょう。

■いい方向へ向かっている実感を得られるようにする
先ほどの目標が達成できればいいのですが、それに至る前にうまくいかなくなることもよくあります。それは、「やっていても意味がない=できるようになっている実感がない」からです。
これは前回触れた「日々のフィードバック」とは少し異なります。ここでは、「あなたは前よりいい方向に向かっている」という点を具体的に見つけ、子どもに提示することです。はっきりと「できるようになったこと」がなくても、「よい方向へ変わったこと」ならちょっと意識するだけで、結構見つけられるものです。
それも全然ダメなら、一緒に確認テストをやってみてください。頻度が高い方がいいとは思いますが、たとえ時々しかできなくても、机に向かっての勉強とは違うため、普段とは違う刺激を与えることができます。
ペーパーのテストである必要は全くありません。ただし、親がしっかりついてやりましょう。モチベーションが大きく下がっている場合は、親子のコミュニケーションを通した一問一答形式がお勧めです。口頭でテンポよくやり取りを繰り返すことでテストより気軽な取り組みになり、間違ったりうまく出来ないことを親が感情に任せて責めないよう抑えられますし、逆に出来た時にはノリで思い切り褒めやすくもなるからです。

■ごほうび作戦はうまく使う
家庭により賛否が分かれるごほうび作戦。私は上手に使えば家庭学習を継続させるためのよいツールになると思います。
ポイントは
・ごほうびをあげるラインの妥協をしないこと
・ここぞという時の切り札として使うこと
・高額にならないこと

ごほうびをあげるラインの妥協をしないというのは、「ここまで頑張ってくれたらいいな」「ここまでできたらいいな」というラインを崩さないということです。ごほうびを安易にあげると、たいした頑張りや成果がなくても、子どもはごほうびを手に入れられると学んでしまいます。またごほうびを乱発していては、ありがたみもなくなります。
高額にならないことも大事です。継続するためのごほうび作戦はこれから何回必要になるか分からないもの。高額なものをごほうびとすると、欲を満たすための学習となり、際限なく要求が出てきかねません。子どもの金銭教育の面からも望ましくないと考えます。

我が家で定着したごほうび作戦を一例としてご紹介します。
検定合格は現金1000円で、使い道には親が口出ししないことが約束になっています。もちろん、貯金もありです。子どもたちが自分にとってプラスになるお金の扱い方を自然に学べたので一石二鳥でした。また、子どもたちが集めている大好きなシリーズ本から1冊をごほうびにすることもあります。
ごほうびがないとやらないという状況になるのが怖かったので、はっきりとした目標達成時のみごほうびをあげています。子どもが複数いる場合、ごほうび基準がはっきりしていた方がもめずに、それぞれが頑張れると考えてのことです。
子どもたちは、数カ月おきにチャンスが訪れるので楽しみにしているようです。また、自分でごほうびをもらうラインを上げる提案をしてくるようになりました。ごほうびを豪華にしたわけでもないのにです。目標を達成する喜びをたくさん経験することで、いずれごほうびは不要になるだろうと考えています。


家庭学習をはじめて、何も悩むことなく順調に継続できています…ということはまずありません。
「継続するための策」を取り入れながら、少しずつ自分たち親子の家庭学習のスタイルができあがっていきます。そのためには、まずは親が粘り強く向き合いたいですね。

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[しーままりん]


■プロフィール しーままりん


東京大学教育学部卒。
経済的に恵まれた環境とは言えない中、ひょんなことから中学受験を知り、都内国立中学へ進学。
都内国立高校を経て、東京大学現役合格。
学ぶことで将来の選択肢が増えることを、身を持って実感する。
金融機関等に勤務の後、現在は自身の夢であった寺子屋を運営。
また、生徒の保護者に限らず、周辺地域の小中学生の親からの学習相談にも対応している。

二児の母。
思うようにいかない子育てや家庭学習、寺子屋の生徒を通しての気づきなどを、都度、正直にブログに綴っている。
ブログ:ハピ勉したい!

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