受験生のみなさま

おうち実験室~親子で発見する算数と理科 第56回:かたむきを学んで、あみこみのキーホルダーを作ろう

2019年07月01日

糸とキーホルダー

前回(「三角形の拡大と縮小を学んで平行を調べよう」)は、拡大図と縮図に関係することを学びました。今回は、拡大図と縮図にも関係する直線のかたむきについて学びます。マス目に描かれた直線のかたむきの大きさの調べ方を知り、同じかたむきを作ってみます。かたむきについて実験して、あみこみのキーホルダーも作りましょう。

<準備するもの>
・ネット(5ミリのマス目のもの) 
 15マス×28マスくらい(練習用)
 9マス×10マス(キーホルダー用)
・太めの糸(紺色、水色、白) 各30cm
 *ここではTシャツヤーンを使っていますが、ネットがかくれる太さなら何でもよいです
・針(糸の太さに合わせたもの)
・木工用ボンド
・キーホルダーのパーツ
 *丈夫なひもなどでも代用できます
・はさみ

<かたむきを調べよう>
*ここでの直線とは、まっすぐな線を意味しています。

例えば、拡大、縮小した三角形どうしは、対応する角の大きさは同じです。つまり、三角形の大きさはちがっても、底辺を水平に置けば残りの2つの辺のかたむきの大きさはそれぞれ同じになります。
かたむきは、辺と辺の間の角の大きさで決まります。ですが、拡大、縮小された図は辺の長さもちがうので、かたむきの大きさを調べるのは難しそうです。
分度器で角度を測らずにかたむきを調べるにはどうしたらよいでしょう? ①から③の青い直線が描かれた図を見てください。オレンジの直線はマス目を数えるための補助線です。

マス目に描かれた3つの三角形

①の直線を中心に見てみましょう。左下の点を基準にすると、この直線のかたむきの大きさは、右に4マス、上に3マスと考えられます。この方法でかたむきの大きさが調べられそうですね。もし、右に4マス、上に10マスのかたむきの直線があるとしたら、かなり大きなかたむきになることも想像できます。

<長さのちがう平行線を編んでみよう>
ネットと糸で実験してみましょう。まず練習用のネットの上でスタート地点となるマス目を決めます。先ほどの①の線のように、スタート地点から、右に4マス、上に3マスのマス目に糸を渡します。あまった糸は切って、木工用ボンドなどでとめると良いでしょう。できたら②、③の直線も編んでください。

ネットに編んだ3本の直線

編んだ3本の線を観察してみます。②の直線は、右に8マス、上に6マスのかたむきの直線です。①と比べると、右方向に数えるマス目の数と上方向に数えるマス目の数がどちらも2倍になっています。このように、横方向と縦方向のマス目の数が、元のマス目の数とそれぞれ同じ倍数になった場合は、かたむきは変わりません。だから、例えば拡大図は、元の図と角の大きさが変わらないのです。
さらに③の直線は、右に12マス、上に9マスのかたむきです。①と比べると横と上の方向にそれぞれ3倍のマス目の数になっています。これもまた同じかたむきということです。3本の直線はそれぞれ同じかたむきです。また、かたむきが同じということは、水平の線に対して3本とも同じ角度になっているので、3本は平行だということになります。

<キーホルダーを作ろう>
かたむきについてわかったところで、下の図でかたむきを調べながら魚の模様のキーホルダーを編んでみましょう。赤い直線は今編むための線、緑の直線は編み終わった線を表しています。

魚の形の編み図

①尾びれを編みます
①の図の、うすいオレンジ色のマス目が尾びれになります。白い糸で編みましょう。赤い直線の場所に糸が出てくるように考えながら、一筆書きで編んでいきます。裏側にくる糸のことはあまり気にせずに編んでみましょう。編み始めの糸は、最後に木工用ボンドで留めるか、後の糸の下になるようにします。

尾びれを編む

②体の外側を編みます
②の図の水色のマス目が体になります。続けて白い糸で編みましょう。最初に4本の線を編んで体の外側を作ります。尾びれに近い右側の直線から編み始めると、そのまま続けて編むことができます。

体の外側を編む

ここでかたむきを調べてみましょう。例えば右上の赤い直線を確認します。直線の右下のマスをスタート地点と考えると、左に4マス、上に4マスのかたむきになっています。このかたむきは、左下の直線も同じなので、2本は平行になっています。
また、右下の赤い直線は、直線の右上をスタート地点と考えると、左に4マス、下に4マスのかたむきになっています。これは左上の直線も同じなので、やはり2本は平行になっています。

③体の内側を編みます。
③の図のように、赤い線を編みます。この5本の線も平行になっていますね。
体の内側を編む

④背景を編みます。
紺色の糸で④の図のように編みます。尾ひれの右側は編みません。

背景を編む

⑤ふちをかがります
水色の糸でネットのふちに糸を巻き付けるように編んだらできあがりです。キーホルダーのパーツやひもなどを取り付けてください。

完成したキーホルダー

今回は、直線のかたむきの調べ方を学びました。また、同じかたむきの直線どうしは平行になることもわかりました。このかたむきの考え方は、中学校で学ぶ一次関数にもつながってきます。他にもいろいろな模様をデザインして遊んでみてくださいね。

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[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田宴子


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

なかむたやすこ ●大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、「算数・数学塾」のWEBサイト
http://sansusugaku.wixsite.com/home

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