受験生のみなさま

おうち実験室~親子で発見する算数と理科 第31回:がい数の実験をしよう!

2017年06月01日

麻ひも

4年生で学ぶがい数ですが、いったい何が起こっているのか、何のために使うのか、ぴんとこない子どもたちも多いようです。今回は、がい数にすることでどのようなことが起こっているかを実験して、その上でがい数がどのように便利なのかを考えていきます。

<準備するもの>
・工作用紙(1センチメートルの幅にきったもの)   計算結果に合わせた枚数
・ノート(計算結果を書くため)
・はさみ
・セロハンテープ
・筆記用具

ここに4本のひもがあるとします。ぞれぞれ1900ミリメートル、1300ミリメートル、1800ミリメートル、1100ミリメートルです。合計の長さを知りたいのですが、まずはそのまま計算してみましょう。「1900+1300+1800+1100=6100」なので、合計は6100ミリメートルということになります。これを基にして、がい数にした時にどのようなことが起こるのかを実験してみましょう。

1.がい数にしよう
まずはそれぞれの長さを上から1けたのがい数にします。次にそれらを合計して長さを計算していきます。がい数にする方法は、切り上げ、切り上げ、四捨五入の3種類です。
それぞれノートに表を作り、計算結果を書き込んでいきましょう。

ひもの長さを計算する表

・切り上げ
上から1けたのがい数にするためには、上から2けため以降がすべて0でなければ、上から1けための数に1をたします。
そうすると、1900は2000、1300も2000、1800も2000、1100も2000になります。2けためが1しかないものまで切り上げられてしまって、なんだかすごいことが起こりそうな予感がしますね。

・切り捨て
同じように、上から2けための数を見ますが、今回はすべて切り捨ててしまいます。1900は1000、1300も1000、1800も1000、1100も1000になりました。ここでは2けためが9でも切り捨てられてしまっていますね。

・四捨五入
切り上げや切り捨てとはちがって、上から2けためをていねいに考えなくてはいけません。上から2けためが4以下の場合は切り捨てます。上から2けためが5以上の場合は、上から1けための数に1をたします。このルールに従うと、1900は2000、1300は1000、1800は2000、1100は1000になりました。

2.合計を計算しよう
もし2人以上いれば、ここからは切り上げ、切り捨てなどに分かれて作業すると結果の違いにおどろくでしょう。

・切り上げの場合
がい数にした結果は、2000、2000、2000、2000でしたので「2000×4=8000」で8000ミリメートルになりました。

・切り捨ての場合
がい数にした結果は、1000、1000、1000、1000でしたので「1000×4=4000」で4000ミリメートルになりました。

・四捨五入の場合
がい数にした結果は、2000、1000、2000、1000でしたので「2000+1000+2000+1000=6000」で6000ミリメートルになりました。がい数にしなかった場合の合計は6100でしたので合計の長さが一番近くなりました。

3.がい数の合計で紙の定規を作ってみよう
切り上げ、切り捨て、四捨五入で合計の長さを計算しましたが、それぞれ4000ミリメートル(4メートル)、6000ミリメートル(6メートル)、8000ミリメートル(8メートル)となりました。とても長いので、ふだんは測ることがない長さですね。よい機会ですので実際にどのくらいの長さになるのか、紙の定規を作って調べてみましょう。2人の場合は切り上げと切り捨てだけでも良いでしょう。
紙の定規と言っても1センチメートルの幅の工作用紙をセロハンテープでつなぎあわせたものです。工作用紙には1センチメートル(10ミリメートル)ごとにめもりがあるので、10センチメートル(100ミリメートル)ごとに印をつけていきましょう。

切り上げの場合は8000ミリメートル(8メートル)にもなりました。確かに、上から2けためが1であっても切り上げたのですからこのくらいになりますよね。逆に切り捨てでは4000ミリメートル(4メートル)にしかなりません。上から2けためが9であっても切り捨てた結果、このようになったのです。実際に作ってみると、切り上げの場合は切り捨ての場合の2倍の長さになっていておどろきます。

作った紙の定規の長さを比べる

さらに作った定規で家具や天井の高さなど身の回りのものを測ってみると楽しいです。定規をさらに伸ばして9000ミリメートル(9メートル)や10000ミリメートル(10メートル)のものを作ってもよいですね。
このように、がい数にする方法によって大きな違いがでる場合もありますが、おおよその合計が知りたいときなどには便利なのです。
例えば、切り上げて計算しておけば、ひもと同じ長さの紙の定規を作ろうとした時に、何ミリメートルの工作用紙(1センチメートルの幅に切ったもの)を用意すればたりるのかが分かります。また、切り捨てで計算しておけば、ひもの長さの合計は何ミリメートル以上になるのかが分かります。四捨五入で計算すれば、実際の長さに一番近くなるでしょう。
このように、切り上げ、切り捨て、四捨五入を使い分けてがい数にすれば、大きな数も分かりやすくなったり、計算しやすくなるのです。

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[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田宴子


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

なかむたやすこ ●大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より東京大学大学院工学系研究科で工学教育にも関わっている。
2008年に立ち上げたNPO法人センス・オブ・ワンダーの代表も務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、「算数・数学塾」のWEBサイト
http://sansusugaku.wixsite.com/home

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