受験生のみなさま

おうち実験室~親子で発見する算数と理科 第22回:小数を発見しよう!

2016年09月01日

タイル

「小数とは何ですか?」と聞かれたら、みなさんはどう答えますか? 小数は小学3年生で学びますが、それまでに学ぶ数とは何が同じで何が違うのでしょう? 今回は、小数が必要な理由を体験しながら小数の仕組みを学んでいきます。

1."1"にならない数の体験
<準備するもの>
・コップ
・水

まずはコップに満タンに水を注ぎます。この水の量はどう表されるでしょう? 「コップ1ぱい」と言えそうですね。では次にコップの水を少し減らしてみます。水の量はどのくらいになりましたか? 「半分より多い!」とか「コップ1ぱいよりちょっと少ない」とか、色々と聞こえてきそうですが正確な量を伝えることができません。そもそも水のように切りはなせないようなものは、1個とか1本と数えることは難しく、簡単には数で表すことができないのです。

2.折り紙を使って調べよう
<準備するもの>
・折り紙(10cm×10cmの正方形1枚、10cm×5cmの長方形1枚、10cm×1cmの長方形1枚、1cm×1cmの正方形1枚)
・工作用紙(10cm×10cmの正方形1枚)
・定規(じょうぎ)

いろいろな大きさの折り紙、工作用紙、定規

①"1"にならない数を調べる その1
<準備するもの>
・折り紙(10cm×10cmの正方形1枚、10cm×5cmの長方形1枚)
正方形と長方形の折り紙

ここに正方形と、長方形の折り紙があります。折り紙はもともと大きな紙だったものを切って作られます。水と同じでつながっているのですね。「折り紙1枚」というのは、ある大きさに切られたものを指しています。ここでは10cm×10cmに切った折り紙を「1枚」と決めます。

さて、ここで大きい方の長方形(10cm×5cm)も使います。この大きい長方形は何枚と言えるでしょうか? 正方形の折り紙に重ねて考えてみましょう。私が教室で教えている子どもたちは「半分くらいなんだけどなぁ。」と考えていました。「何枚」と数で答えるのは難しそうですね。この答えは後で分かりますので次に進みましょう。

②"1"にならない数を調べる その2
<準備するもの>
・折り紙(10cm×10cmの正方形1枚、10cm×1cmの長方形1枚)
・工作用紙(10cm×10cmの正方形1枚)
正方形と細長い長方形の折り紙

次に、小さい長方形(10cm×1cm)の折り紙について調べましょう。この小さい長方形は何枚と言えるでしょうか? もう一度正方形の折り紙に重ねて考えてみましょう。大きい長方形は半分くらいのようでしたが、今回はもっと小さいですね。工作用紙を使ってくわしく調べてみます。
工作用紙は折り紙1枚と同じ大きさになっていて、たてに10本、横に10本の線が引いてあります。小さい長方形を、はしがそろうように工作用紙の上に置いてみます。図のように線と線の間にぴったりと置くことができました。長方形を何個置くと1枚の折り紙になるでしょうか?
正方形の工作用紙の上に置かれた細長い長方形の折り紙

③"1"にならないものの表し方を考えよう
「これが10個あったら折り紙1枚になる!」と気づいた人は大正解です。この長方形は10個集まると「1枚」になるということがわかりました。 これまでに学んだ数も10のまとまりごとに書き方(位取り)が変わりました。ですが10個集まって1になる数はどのように書いたらいいのでしょう?
位取りの図

ここで登場するのが小数点です。小数点をつけて「0.1」と書きます。小さい長方形は「0.1枚」です。

④大きい長方形の表し方
<準備するもの>
・折り紙(10cm×5cmの長方形1枚)
・工作用紙(10cm×10cmの正方形1枚)

さきほどの大きい長方形についても調べてみます。工作用紙の上に置いてみると5つ目の線とはしがぴったり重なりました。「0.1」の長方形5個分なので「0.5」、つまり「0.5枚」だということが分かりました。
正方形の工作用紙の上に置かれた長方形の折り紙

⑤もっと小さい折り紙の表し方
<準備するもの>
・折り紙(1cm×1cmの長方形1枚)
・工作用紙(10cm×10cmの正方形1枚)

さてここでもっと小さい折り紙が登場します。この小さい正方形(1cm×1cm)は何枚だと言えるでしょうか? 工作用紙の上に置いてみると、0.1枚だった長方形の、さらに10個に分けた1個だということが分かります。つまり10個集めると「0.1」になるわけです。10のまとまりごとに変わる書き方のルールを考えると「0.01」となることもわかったでしょうか。
正方形の工作用紙の上に置かれた小さな正方形の折り紙

このように、1より小さいものを表す場合も、今までと変わらない10のまとまりのルールで書いたり計算したりできるのが小数です。どんどん10個ずつに分けていけば、より小さい数を表すことができます。それに対して、10以外の数に分けてもよいのが分数です。こちらの話はまた別の機会にしましょう。小さい数が表せて、これまでと同じルールが使える小数って便利ですよね。

「おうち実験室~親子で発見する算数と理科」のこれまでの記事
第1回:今の勉強は何につながっているの?
第2回:キッチンでできる美しい密度の実験
第3回:百分率を使って芸術家になろう!
第4回:比を計算してプラバン工作をしよう!
第5回:速度を利用して世界旅行計画を立てよう!
第6回:比例を使って未来を予測しよう!
第7回:濃度を計算してキラキラの絵を描こう!!
第8回:「はかる」コツを知って夏休み自由研究で使ってみよう!
第9回:夏休み自由研究で形のふしぎを調べてみよう!
第10回:数のしくみを知って算数をもっと好きになろう
第11回:算数、理科好きな子が育つ家
第12回:「倍」を使ってポップコーンを作ろう!
第13回:アイスクリームづくりで確かめよう! 味も伝えられる「比」
第14回:「倍」と「比」の関係を使って、ホットケーキ作り
第15回:雪の上を歩いてみよう~圧力のお話~
第16回:美しさを伝える比~黄金比のお話~
第17回:百分率を使いこなして買いものじょうず!
第18回:割合を調べて同じ味のスポーツドリンクを作ろう!
第19回:1ページを何分で解けば間に合うかな?~未来を予測する比例と反比例~
第20回:きまりを見つけてかげ絵の長さを予測しよう~反比例の発見~
第21回:面積を計算して作る美しいタイルのマグネット

[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田宴子


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

なかむたやすこ ●大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より東京大学大学院工学系研究科で工学教育にも関わっている。
2008年に立ち上げたNPO法人センス・オブ・ワンダーの代表も務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、「算数・数学塾」のWEBサイト
http://sansusugaku.wixsite.com/home

学校情報検索して資料請求をしよう!

  • 中学校を探す
  • 高等学校を探す
  • 塾を探す
  • 中学校のイベントを探す
  • 高等学校のイベントを探す
  • ラクラク一括資料請求
  • 資料請求コードで一括請求

PR

今すぐチェック!! 編集部オススメ記事

大学・短期大学・専門学校を探すならこちらから

ページの先頭へ