受験生のみなさま

おうち実験室~親子で発見する算数と理科 第15回:雪の上を歩いてみよう~圧力のお話~

2016年02月01日

雪の上の足跡

冬も本番となりました。スキーに出かけたり家の周りで雪が降ったりすると、積もった雪を見ることもあるでしょう。足あとのない真っ白な雪がうれしくて歩いてみると、ずぼっとうまってしまったことはありませんか? でもひらひらと舞い降りてきた葉っぱは雪の上に静かに乗って沈んではいきません。なぜでしょう?
「人間は重たいからうまるんだよ!」という人もいるかもしれません。重いとか軽いということだけで雪にうまるかうまらないかが決まるのでしょうか。もしスキー場で雪の上にどしんとしりもちをついてしまったら、その跡を観察してみて下さい。雪の上を歩いて足がずぼっとうまった時よりもしりもちをついた跡は浅くなっているはずです。重さは同じなのに深くうまったりうまらなかったりするのはなぜでしょう?

これは、単位当たりの面積にどのくらいの力が加わっているかと関係しています。ここでいう力は重さのことです。しりもちをついたときよりも、一本の足に全部の体重がかかった時の方が単位当たりの面積に加わる力が大きいのです。この単位当たりの面積にかかる力を圧力と言います。
中学生になると国際単位系に基づいた「圧力=力が働く大きさ(N)÷力が働く面積(㎡)」という式を学びますが、ここでは分かりやすく1平方センチメートル当たりに加わる重さとして考えます。1平方センチメートルという単位面積当たりの重さを計算する方法は、5年生で学ぶ単位量当たりの大きさの考え方と同じです。雪が降ったら、圧力を計算して簡単な実験をしてみましょう。

<準備するもの>
・2リットルのペットボトル(直方体のもの) 1本
・水   ペットボトルに入れて全体の重さが2000グラムになるように調整
・はかり                  1個
・定規                   1本

1.面積を計算しよう

横に寝かせたペットボトル

ペットボトルのどの面を下にするかによって圧力が変わってきます。ペットボトルのそれぞれの面の面積を計算してみます。一番目に大きな面は「23cm×10cm」で230平方センチメートルでした。二番目に大きな面は「23cm×8cm」で184平方センチメートルです。ペットボトルの底は「10cm×8cm」で80平方センチメートル。キャップは半径が1.5センチメートルの円なので「1.5cm×1.5cm×3.14」で7.065、約7平方センチメートルということが分かりました。

2.圧力を計算しよう

立てたペットボトル

それぞれの面にかかる圧力を計算してみましょう。ここでは圧力を1平方センチメートル当たりの重さとして考えるので「重さ÷面積」で計算することができます。

①1番目に大きな面
「2000g÷230㎠」で1平方センチメートル当たりの重さは約8.7グラム。
②2番目に大きな面
「2000g÷184㎠」で1平方センチメートル当たりの重さは約10.9グラム。
③底の面
「2000g÷80㎠」で1平方センチメートル当たりの重さは25グラム。
④キャップ
「2000g÷7㎠」で1平方センチメートル当たりの重さは約285.7グラム。

3.実験しよう
2リットルのペットボトルに水を入れて全体の重さが2000グラムになるように調整します。雪の上に①から④までの面を下にしてペットボトルをそっとおいてみます。どうなるでしょう?

①~③までは雪にうまることはありませんでした。
雪の上のペットボトル
④は1平方センチメートル当たりに加わる力の大きさが285.7グラムとかなり大きな圧力になることが分かりました。雪の上においてみるとキャップの部分がすっかりうまってしまいました。

雪に埋まったペットボトルのキャップ

みなさん、楽しく実験できたでしょうか? 雪の状態によってうまり方は変わってきますのでチャンスがあれば色々な雪で実験してみて下さい。雪の上を歩く時にスキー板やソリを使えばうまったりしません。その理由もわかったのではないでしょうか。雪の上を歩く道具としてスノーシューというものもあります。これは体重が大きな面に加わるように工夫された道具です。みなさんも雪が降ったら色んな実験をして調べてみてくださいね。

[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田宴子


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

なかむたやすこ ●大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より東京大学大学院工学系研究科で工学教育にも関わっている。
2008年に立ち上げたNPO法人センス・オブ・ワンダーの代表も務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

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