受験生のみなさま

おうち実験室 ~親子で発見する算数と理科 第7回:濃度を計算してキラキラの絵を描こう!

2015年06月01日

キラキラのイメージ

これまで一緒に「百分率」や「比」のように数と数との関係を表す「割合」について、工作などを通して学んできました。今回は割合の一つの「濃度」を学んで実験しましょう。「濃度」とは濃さのことで「百分率」で表します。中学受験をしないみなさんにとっては、特に教科書に「濃度」という単元があるわけではないのですが、ここでは「濃度」を調べたり計算するために「百分率」を使う練習をするということで進めていきます。

今回は作りたい食塩水が決まっているので、その「濃度」にするために必要な食塩と水の重さを計算します。ここで作るのは飽和食塩水(ほうわしょくえんすい)という特別な食塩水です。これは、もうこれ以上は食塩がとけないというぎりぎりまで食塩をとかした食塩水です。「濃度」は食塩水では食塩水の重さに対する食塩の割合のことで、食塩水の中にどのくらいの重さの食塩がとけているのかで決まります。式では「食塩水の濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ」になります。

水の温度によっても変わるのですが、飽和食塩水の「濃度」はだいたい26%です。さっそく「濃度」が26%、重さが30gになる食塩水を作りましょう。海水の「濃度」は3.5%ですから、飽和食塩水はとても塩からそうですね。

「食塩水の濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さ」でしたが、ここでは食塩の重さを計算しなくてはいけません。食塩の重さを知るには食塩水の重さに「濃度」をかければ良いので「食塩の重さ=食塩水の重さ×食塩水の濃度」という式で表されます。

さて、計算する前にもう一度思い出してみましょう。「百分率」で表された26%の26はそのまま使うことができませんでした。「百分率」は100で割って、割合を表す小数として使います。26を100で割ると0.26という割合になりました。「30×0.26=7.8」です。「濃度」が26%で重さが30gの食塩水を作るには、7.8gの食塩がいることが分かりました。残りは水ですので、必要な水の量は「30-7.8」で22.2gになります。

では重さが分かったところでさっそく食塩水を作ってみましょう。

<準備するもの>

黒い画用紙と飽和食塩水の入ったコップ、わりばし

・水      22.2g
・食塩     7.8g
・わりばし   1膳を割って2本にしたうちの1本
・黒い画用紙  1枚

1.飽和食塩水を作ろう

水22.2gに食塩7.8gを入れて割ったわりばし1本でよく混ぜます。温度などによって少しとけ残ってしまうかもしれませんが、それはぎりぎりまで食塩がとけている証拠(しょうこ)なので大丈夫(だいじょうぶ)です。

2.食塩水で絵を描こう

飽和食塩水ができたら、黒い画用紙の上にわりばしで絵を描きます。この時にはまだ絵はあまりはっきり見えませんが、そっと一ばん置いておきましょう。

飽和食塩水で絵を描いた黒い画用紙
3.観察しよう

一ばんそっと置いておいた画用紙の上にはきらきらしたものが見られるようになります。きらきらした部分を虫めがねなどで観察してみるとどのようなものが見えるでしょう? 透明(とうめい)のサイコロのような形のものが見えるでしょうか? これは食塩の結晶です。食塩のつぶたちは水にとけている時は自由に動いているのですが、水が蒸発してしまうと動けなくなりサイコロのような立方体に並ぶ性質があります。

一日後の飽和食塩水で描いた絵
一日後の飽和食塩水で描いた絵の一部分

例えばきらきらときれいな宝石もたいていは何かの結晶なのです。ダイヤモンドは炭素(たんそ)が規則正しく並んだ結晶ですが、同じ炭素でも別の形にならぶとえんぴつのしんになったりします。同じ炭素のつぶでも並び方が違うとみかけも性質も変わることがあるのですから不思議ですね。

学校で習うことが何につながっているのかは分かりにくいので(第1回)、このシリーズではできるだけ学校の勉強と周りのことのつながりを見せられたらと思っています。今回は「濃度」「百分率」そしてずっと先で習う理科の「結晶」へとつながりました。そして「結晶」を観察したり勉強したりしてみると、形には意味がある(第2回)ということに気づくことでしょう。そうするとまた「結晶」から算数の「図形」へとつながって、学んだことどうしがつながっていくのです。実験や観察を楽しみながら算数と色々なもののつながりを感じてくださいね。

「おうち実験室~親子で発見する算数と理科」のこれまでの記事
第1回:今の勉強は何につながっているの?
第2回:キッチンでできる美しい密度の実験
第3回:百分率を使って芸術家になろう!
第4回:比を計算してプラバン工作をしよう!
第5回:速度を利用して世界旅行計画を立てよう!
第6回:比例を使って未来を予測しよう!



[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田宴子


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

なかむたやすこ ●大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より東京大学大学院工学系研究科で工学教育にも関わっている。
2008年に立ち上げたNPO法人センス・オブ・ワンダーの代表も務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

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