保護者のみなさま

楽しみながら親子で学ぶためにできること【その5】―身近なエンタメを活用する

2018年01月01日

映画館

子どもの教育において一番大切なことは子どもの興味を引き出すこと、そういう意識があればマンガや小説、映画やドラマ、テレビ番組などの身近なエンタメを通して学べることはたくさんあることに気付くと思います。そして何だかんだ言っても子どもはやっぱり親の影響を強く受けている、その実感を踏まえると、親も一緒になって楽しむということ、それこそが大切なのだと思います。

一番いい例が歴史を学ぶことです。学校の歴史の授業というのは基本的には時代を追って起きたことやその背景を客観的にとらえていくものだと思いますが、その一方で、ある人物に着目し、その人物の視点から主観的に歴史をとらえるのも歴史を学ぶためには欠かせないことではないでしょうか。例えば幕末にはたくさんの人物が登場しますが、様々な立場の人物の、それぞれの人生の物語を知ることで、複雑な各勢力の思惑や関係とその流れも自然とつかむことができるようになります。

そのための媒体は別にマンガでもテレビでもいい、取り組みやすく感情移入し親子で一緒になって楽しみやすいという観点では、小説よりもむしろマンガやドラマの方が優れているのではないかと思います。マンガやドラマは、原作の小説があることもあります。マンガやドラマをきっかけに原作の小説を読んでみると、原作の内容がずいぶんと省略されていると感じることが多々あります。
同じものを違った媒体で楽しんでみることで、ドラマや映画はおいしいところどり、とっつきやすくはあるけれど、やはりもっと詳しく知りたいと思ったら小説を読んだ方がいい、どちらの媒体にもいいところがある、そういうことが子どもに伝われば最高なのだと思います。

息子が小学生のときは地元東京の偉人として勝海舟の伝記を読み、NHK大河ドラマでは幕末を描いた『篤姫』や『龍馬伝』を親子で楽しんでいました。榎本武揚を紹介した番組なども一緒に見た記憶があります。おかげさまで中学受験の幕末から明治にかけての歴史は得意分野になりましたし、中学、高校に進んでも歴史は好きな科目のようです。今年の大河ドラマも幕末から明治維新の話のようですから、中学受験生をお持ちのご家庭にはおすすめです。

もうひとつの観点は、エンタメを通して親子で感動を味わうことが、子どもの活力、意欲につながっていくということ。小説やドラマで歴史上の人物の生き方に共感し「僕(私)もそういう生き方をしたい」「こういう人たちの努力があって今の平和があるんだ」と思う。感受性の豊かな子ども時代にそんな風に心を動かされる経験はとても大切だと思うのです。

この観点からおすすめしたいエンタメは、演劇やミュージカル、コンサートといった生の舞台です。「そういうものは一部の熱心なファンだけが見るものだ」みたいに思っている方に特におすすめしたいです。正直に言うと私も大人になるまであまり生の舞台を観た経験がなく、そのような偏見を持っていたひとりかも知れません。でも妻に連れられて実際に観てみると生の舞台には他では得られないような感動があることに気づかされました。言葉ではうまく言い表せませんが、生身の人間からのうったえかけや観客との一体感など映像では決して感じられないものがあります。

小さい頃から何度も生の舞台を観ている息子は、高校生になってもそういった偏見や抵抗が全くなく素直に楽しんでいます。私ももっと若い頃から観ていればまた違った人生になっていたかも知れないとさえ思います。

人間は感動し心を動かされることで真の活力が生まれてくるのだと思います。勉強でも何でもそうですが、そういった活力があって始めて努力して何かに取り組むといった意欲につながっていくのだと思います。

中学受験など目の前の目標も大切ですが、それも立派な大人になって幸せになってほしいという願いのひとつのステップに過ぎないはずです。そう考えれば親子で感動をたくさん経験することもとても大切なことだと私は思うのです。

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小学生のうちに身に付けておきたい力【その1】―毎日、勉強机に座る習慣
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我が家の子育てと教育方針【その1】―中学受験をしてもバイオリンを止めずに続けさせた理由
我が家の子育てと教育方針【その2】―自分の考えを持つということ
我が家の子育てと教育方針【その3】―楽しませることの大切さ
我が家の子育てと教育方針【その4】―社会性が何よりも大切
我が家の子育てと教育方針【その5】―人とは違うことをするということ
楽しみながら親子で学ぶためにできること【その1】―とにかく実物を見せること
楽しみながら親子で学ぶためにできること【その2】―小学生新聞購読のすすめ
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楽しみながら親子で学ぶためにできること【その4】―生き物を飼ってみる

[かずとゆか]


■プロフィール かずとゆか


フルタイムの共働き夫婦。執筆担当の夫はずっと塾には通わず公立小中から県立高校を経て東大・京大現役ダブル合格。高校在学中には交換留学生としてオーストラリア・クイーンズランド州に1年間滞在した。東京大学工学部卒業後、外資系証券会社に入社、数社を渡り歩き現在に至る。
取材担当の妻は都内私立中高一貫の女子校から私立大学工学部卒業の当時は希少だった理系女子。邦銀のロンドン拠点赴任を経て現在は外資系証券会社に勤務。仕事は絶対に辞めないというこだわりのもと子育てや家事との両立を目指している。子育てが一息ついた現在は社内の東北被災地ボランティアを通し社会貢献にも努めている。
勉強は塾に行かなくてもできるという信念から、息子も大手進学塾には通わずに中学受験に挑戦。少年野球とヴァイオリンを最後まで続けながら都内国立中学に合格した。ブログ「大手進学塾に行かない共働きの中学受験」、著書「小学生生活を犠牲にしない中学受験」を通して健全な小学生生活を犠牲にしない中学受験を提唱。

大手進学塾に行かない共働きの中学受験
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