保護者のみなさま

楽しみながら親子で学ぶためにできること【その4】―生き物を飼ってみる

2017年12月01日

カブトムシ

子どもが生き物を飼いたがったとき、「お世話が大変だからやめておきなさい」という親は多いと思います。また「ちょっと虫は苦手なので勘弁してほしい」という方もいらっしゃるかも知れません。もちろん無理をする必要はないし、マンションなど集合住宅では飼えない生き物もいますからできる範囲でいいのですが、子どもが生き物を飼ってその世話をすることでたくさんのことを学ぶことができると私は思っています。

息子が小学生の頃、「学校でモンシロチョウを飼って観察をするので、モンシロチョウの卵を見つけたら学校に持ってきてください」と先生から言われたのですが、モンシロチョウの卵なんて私たちの住んでいる地域のどこで見つけられるのか見当もつきません。そこで畑で野菜を作っている私の実家の両親に相談したところ、モンシロチョウの卵が産みつけられたキャベツの葉を送ってくれました。

モンシロチョウの卵がどういうものか、小学校の教科書にも載っているのですが、こんなに小さなものだとはやはり実物を見ないと分からないなと実感したことを覚えています。息子は大喜びで得意げにそれを学校に持っていき、卵から幼虫のアオムシになり、サナギになって最後に成虫のちょうちょになるまでクラスのみんなと育てたようです。

モンシロチョウの幼虫の場合はキャベツでしたが、生き物を育てるには、まずその生き物が何を食べるのかというのを調べなくてはいけません。そして何を食べるかがわかればどの辺りに生息するのかも想像できます。昆虫の場合は、育てていくなかで卵から成虫になるまでどのくらいかかるのか、寿命はどのくらいなのか、どうやって冬を越すのか、などその生き物の生態に関する知識は自然と頭に入ります。そしてひとつの生き物についての知識があると、今度は別の生き物との比較ができるようになります。

例えば似ているようでカブトムシとクワガタは結構違います。(日本の)カブトムシは1年間しか生きませんが、クワガタは種類によって違って幼虫が成虫になるまで数年かかり、成虫になってからも冬を越すものもいるとか、興味を持って調べるといろんなことが分かってきます。
カブトムシの幼虫は腐葉土を食べるので比較的飼育が簡単ですが、クワガタの幼虫は朽木の中にいてその朽木を食べながら育つので飼うのは難しいというのが、私自身が小学生の頃に得た知識でしたが、息子が小学生のときには「菌糸ビン」という便利なものがあって、それを使うとクワガタの幼虫も立派な成虫に育てることができました。
また私が子どもの頃には冷房は虫にはよくないとどこかで言われた気がしますが、カブトムシは雑木林の日陰の涼しいところに生息しているので夏の高温は禁物、冷房の効いた部屋で育てた方がいい、ということも息子と一緒に学んだことかも知れません。

中学受験でも理科で昆虫の問題が出題されますが、息子にとってはほとんど知っていることばかり、知らなかったことも興味があることなのですぐに頭に入ります。やはり机上の勉強だけではなく、実体験をともなった勉強の大切さを実感しました。

ところでカブトムシで思い出しましたが、私自身が小学生の頃、カブトムシのサナギが成虫になる様子をずっと観察していたとき、待ちきれなくて脱皮を少し手伝ったところ、背中の甲の前羽にしわが入ったまま固まってしまい不格好なカブトムシになってしまいました。このとき子どもながらに「自分が余計なことをしたばっかりに取り返しのつかないことになった。やっぱり自然の生き物は自然に育てないといけないんだ」と痛切に感じたことを覚えています。息子も飼っていたカブトムシが卵を産んで翌年にたくさん幼虫が育ち、お友だちにも分けてあげたところまではよかったのですが、幼虫を育てていた時に腐葉土に霧吹きを頻繁にかけすぎて何匹かの幼虫が死んでしまったときにはショックを受け猛省をしていたようでした。

生き物を飼うと「いつかは死んでしまうのがかわいそう」「やっぱり自然に返してあげるのが一番だ」だという考え方もあります。私もその気持ちはよく分かります。でもそれは自分が飼っていた生き物が死んでしまったことを自分で経験して初めて分かったことのような気がするのです。

子どもに命の大切さ、「死んでしまったものは二度と生き返ることはない」ということを教えるためにも、生き物を飼って世話をするという経験は大切なのではないでしょうか。決して「リセットボタン」を押せばいつでもやり直せる「飼育シミュレーションゲーム」で代用できるものではないと私は思います。

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[かずとゆか]


■プロフィール かずとゆか


フルタイムの共働き夫婦。執筆担当の夫はずっと塾には通わず公立小中から県立高校を経て東大・京大現役ダブル合格。高校在学中には交換留学生としてオーストラリア・クイーンズランド州に1年間滞在した。東京大学工学部卒業後、外資系証券会社に入社、数社を渡り歩き現在に至る。
取材担当の妻は都内私立中高一貫の女子校から私立大学工学部卒業の当時は希少だった理系女子。邦銀のロンドン拠点赴任を経て現在は外資系証券会社に勤務。仕事は絶対に辞めないというこだわりのもと子育てや家事との両立を目指している。子育てが一息ついた現在は社内の東北被災地ボランティアを通し社会貢献にも努めている。
勉強は塾に行かなくてもできるという信念から、息子も大手進学塾には通わずに中学受験に挑戦。少年野球とヴァイオリンを最後まで続けながら都内国立中学に合格した。ブログ「大手進学塾に行かない共働きの中学受験」、著書「小学生生活を犠牲にしない中学受験」を通して健全な小学生生活を犠牲にしない中学受験を提唱。

大手進学塾に行かない共働きの中学受験
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