保護者のみなさま

我が家の子育てと教育方針【その4】―社会性が何よりも大切

2017年07月01日

クマノミたち

息子が通っていた公立小学校は明治初期に創立されたそうなのですが、創立当時に作られた校歌の中に「知育、徳育、体育が偏らない学校の教えを…」といった歌詞が出てくるのです。

ということは学習指導要領に掲げられた「生きる力」=知・徳・体のバランスのとれた力、というのは、明治時代初期、我が国の近代教育の創成期から教育指針とされていたのでしょう。明治時代といえば、開国、明治維新を経て西洋文化の影響を大きく受け、急激に近代化した時代です。この時代に日本の教育の礎を作った人たちもまた、西洋の文化に接し、その価値観の影響を受けていたことは間違いないでしょう。

私たちも留学や仕事で「グローバル社会」に接して、改めて実感することは、この「知・徳・体のバランス」の大切さです。中でも「徳育」つまり「社会性を育てること」が最も大切なことだと私たちは思います。

社会性、つまり周りの人と仲良く調和してうまくやっていける力。これさえあればどんな道に進もうと、どんな職業につこうと幸せな人生を歩むことができるのではないか、そしてそれは世界共通だと思うからです。

逆にこれが欠如していると、どんなに勉強ができて一流大学を卒業していても幸せになることは難しいのではないでしょうか。人間は集団で生活する動物ですから、どんな道に進んでもひとりの力だけでは生きていけない、どんな職業についてもひとりの能力だけで実績を残すことはできません。周りの人たちと調和し、お互いに協力して初めてひとりひとりが活躍できるし、周りの人たちと気持ちをわかちあうことで幸せを感じることができるのだと強く思います。

「体育」も大切です。勉強にしても仕事にしても、体が丈夫で健康であるということはすべての前提ではないでしょうか。身体の成長のためにも適度な運動をすることはとても大切ですし、いわゆる「運動神経」が発達するのは小学生の高学年ぐらいがピークだそうですから、この時期に適度な運動をすることはとても大切なことです。

「スポーツは中学受験が終わってからでいい」
この考え方には私は賛同できません。むしろ全くの逆、小学生の間は体を動かすことで、体を作り、運動神経を発達させることの方が大切で、本格的な受験勉強はもう少し先、中学生になってからでもいいのです。

さて、体育はわかりやすいとして、徳育、社会性を育てるためにどうすればいいのでしょうか。こればっかりは親が教えるだけで育つものではないでしょうし、そんなことを教えてくれる塾もありません。

でもそんなに難しいことではないとも思います。息子もそうでしたが、放っておけば勝手に保育園や学校で学んでくるのです。

親ができることはまず、その社会性を育てることの大切さを意識することだと思います。その意識があれば、できるだけ子ども同士で過ごせる環境に入れよう、子ども同士で過ごす時間を大切にしよう、些細なトラブルであれば親は口出しせず子ども同士で解決させよう、などといった適切な判断ができると思うからです。

週末の「校庭開放」というのが、どこの小学校にもあると思います。最近は場所によって少し見直されているようですが、息子が小学生の頃は近所の公園はどこも「ボール遊び禁止」。ですから小学校の校庭開放はよく利用していました。そしてPTAの持ち回りでその指導員を務めたときに、子どもたちの様子を見ていて自分が小学生だった頃を思い出しました。

まずは何をして遊ぶかということを子どもたちで決めます。意見が割れると多数決です。そして例えば野球遊びをすると決まったら今度はチーム分け、自然と高学年の上手な子が二人選ばれ、各チームのリーダーとなり、二人がじゃんけんをして勝った方からほしい選手を指名します。最後まで選ばれない子は少しかわいそうですが、ちゃんとどちらかのチームに入れてもらえます。仲間外れにされたりするわけではありません。

試合中も低学年の子が打席に入ると、下から打ちやすい球を投げるルールが自然とできています。アウト・セーフでもめたらじゃんけんで決めます。すべて私自身が子どものときと同じなのですが、自分が大人になって客観的に見てみると、子どもたちだけでフェアでお互いが納得できるルールを作って遊んでいることに感心し、そしてこれが社会の縮図なんじゃないかと思えてきました。

社会性を育てるために親ができること、それは何でもかんでもレールを敷こうとせず、子ども同士が関わりあって学んでいく機会、子どもたちだけで自由に遊ぶ時間を確保にしてあげる、それだけでいい、逆にそれしかないのではないでしょうか。

“かずとゆか”さんのこれまでの記事 今月の"家族のテーマ"バックナンバー
小学生のうちに身に付けておきたい力【その1】―毎日、勉強机に座る習慣
小学生のうちに身に付けておきたい力【その2】―自信と意欲
小学生のうちに身に付けておきたい力【その3】―知的好奇心
小学生のうちに身に付けておきたい力【その4】―コツコツとがんばる力
我が家の子育てと教育方針【その1】―中学受験をしてもバイオリンを止めずに続けさせた理由
我が家の子育てと教育方針【その2】―自分の考えを持つということ
我が家の子育てと教育方針【その3】―楽しませることの大切さ

[かずとゆか]


■プロフィール かずとゆか


フルタイムの共働き夫婦。執筆担当の夫はずっと塾には通わず公立小中から県立高校を経て東大・京大現役ダブル合格。高校在学中には交換留学生としてオーストラリア・クイーンズランド州に1年間滞在した。東京大学工学部卒業後、外資系証券会社に入社、数社を渡り歩き現在に至る。
取材担当の妻は都内私立中高一貫の女子校から私立大学工学部卒業の当時は希少だった理系女子。邦銀のロンドン拠点赴任を経て現在は外資系証券会社に勤務。仕事は絶対に辞めないというこだわりのもと子育てや家事との両立を目指している。子育てが一息ついた現在は社内の東北被災地ボランティアを通し社会貢献にも努めている。
勉強は塾に行かなくてもできるという信念から、息子も大手進学塾には通わずに中学受験に挑戦。少年野球とヴァイオリンを最後まで続けながら都内国立中学に合格した。ブログ「大手進学塾に行かない共働きの中学受験」、著書「小学生生活を犠牲にしない中学受験」を通して健全な小学生生活を犠牲にしない中学受験を提唱。

大手進学塾に行かない共働きの中学受験
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