保護者のみなさま

おうち実験室~親子で発見する算数と理科 第11回:算数、理科好きな子が育つ家

2015年10月01日

実験している中学生たち

小学生までは算数も理科も大好きだったのに、中学生、高校生となると好きどころか嫌いな教科になってしまったという経験をお持ちのお父さん、お母さんも少なくないと思います。それを裏付けるように、国際的な調査である国際数学・理科動向調査(TIMSS)やOECDの学習到達度調査(PISA)によると、中学以降に数学と理科が苦手な子どもが急増することが分かっています。このような情報を目にすると、「うちの子どもは大丈夫?」「算数や理科が嫌いにならないためにはどうすればいいの?」と心配になるかもしれません。ここでは、算数や理科が嫌いになる原因を分析しながら、算数、理科好きな子どもに育つ環境を作る具体的な例をご紹介していきたいと思います。

■なぜ算数が嫌いになるのでしょう?



算数は、人が決めたルールを覚えて使いこなせるようになった上で、身の回りの問題や自然の仕組みなどを解き明かすことを目指す教科と言えるでしょう。数を10のまとまりで数えていくことや、たし算、引き算などの計算の方法、様々な単位などは、まず覚えなくてはいけないルールです。様々なルールを覚えて使いこなせるようになった上で次に進む、というように積み上げていく教科ですから、どこかでつまずいてしまうと一気に苦手な科目になってしまう危険があります。例えば土台の一つとなる計算が不得意だと、その上に積み上げていくことは難しくなってしまいます。

■算数の土台作りはゲーム性を持たせる

仮に計算練習のようなルールを覚えて使いこなせるようになるという土台作りではドリル練習が必要になります。速さと正確さを身に付けることが目標になりますが、子どもたちは単調な練習に飽きてしまったり、結果が出ずにやる気をなくしてしまいがちです。そんな時にはゲーム性を盛り込んで楽しく続けられるような手助けがあると良いでしょう。ストップウォッチでタイムを計ったり、時には親子で競争するのもよい方法です。市販のドリルに掲載されている目標タイムはゆっくりめなものが多いので、100マス計算を3分以内でこなせるスピードを基準にして設定し直してあげると良いと思います。目標を達成できたら、シールを貼るなどの演出も効果的です。目標を達成したら、繰り返すのはほどほどに次に進ませてあげることも子どもたちのやる気を維持させるコツです。時には学年を超えて先に進ませてあげれば、子どもの自尊心を刺激することにもつながります。

■土台作りの先にあるものを見せる

土台作りはその先に何かがあってこそのものですから、先にあるものが見えないと土台を作る気力も半減してしまいます。今学んでいる算数が何につながっているのかをできるかぎり見せてあげたいところです。「そう言っても何をすればよいかわからない」という声が聞こえてきそうですが、周りを見渡せば色々と見つかるものです。キッチンやちょっとした工作の中にもたくさんの算数が見え隠れしています。密度を計算した後にキッチンにあるものを使って美しい実験をする方法などもありますので、第2回から第10回の記事を参考にしてみて下さい。

■理科が嫌いになる理由

国際調査で明らかになったことの一つとして、日本の子どもたちは「理科が何の役に立つのかわからない」と感じていることが挙げられます。何の役に立つのかも分からないのに、中学、高校とどんどん内容は難しくなっていくわけですから理科から離れていくことは容易に想像ができます。

■調べる道具を身近に置いて、大人も不思議によりそう

私が勤める東京大学工学部の学生に聞いてみたところ、彼らがずっと理科を好きでいられた理由の一つとして、6人中5人が「周りの現象と理科が結びついていることに気付いて楽しかったから」と答えてくれました。そして彼らに共通していることは、見つけた不思議について調べられる環境があったことと、お父さんやお母さんが不思議に思う気持ちによりそっていたということです。子どもたちは不思議を見つける天才ですが、その場に調べられる図鑑や実験してみる道具がなければ、その不思議は消えてしまいます。大人も一緒に自然の神秘に目を見張ったり、知りたいことをとことん調べたりと、子どもによりそうことで、子どもたちは身の回りのことと理科がつながっていることを実感していくのではないでしょうか。

私の教室で実験や工作をする時の子どもたちのきらきらした目を見るたびに、驚きや大発見を子どもたちと共有できる幸せを感じます。算数も理科も、大人が心から「役に立つ」と思えて寄り添えるなら、きっと子どもたちは理科も算数も好きでいられると思うのです。

[中牟田 宴子]


中牟田 宴子

■プロフィール 中牟田 宴子(なかむた やすこ)


家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。高2と中3の男の子の母。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より東京大学大学院工学系研究科で工学教育にも関わっている。
2008年に立ち上げたNPO法人センス・オブ・ワンダーの代表も務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ
http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

子供と学ぶ家庭教育のススメ~家庭教育研究所 家庭で伸ばす子供の才能~
http://homeeducation.cocolog-nifty.com/blog/
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

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