祖父母のみなさま

子育て世帯の教育費は老後資金とのバランスを考えよう

2020年03月01日

天秤

今年(2019年)度、子どもの教育に関しては、大きな変化が続いています。2019年10月には消費税増税に伴って幼児教育の無償化、高等教育の就学援助の創設などの制度ができました。一方、2021年度入試から始まるはずの大学入学共通テストの国語や数学では、採点が困難だということから記述式問題の導入が見送られました。
親からすると、子どもを一体どのように教育していけばよいのかという迷いを持ちつつの一年だったでしょう。今回は1年間のまとめとして、これまでのコラムを振り返りつつ、子どもの教育費について考えてみたいと思います。

■教育費の準備は楽になる!?



幼児教育の無償化、高等教育の就学援助などの制度が創設され、「今後は教育費の準備が楽になるだろう」と楽観視して、教育費の準備を抑えめにしたご家庭もあるかもしれません。
けれども、私立へ進学してしまうと、すべての教育費を親がまかなうことはなかなか難しいものです。また、公立に進学しても、学校以外の塾代がかかることも珍しくありません。準備していた教育費が不足しても、奨学金を本人に借りさせれば大学や専門学校に行けると、簡単には考えないようにしましょう。
親からすれば、学校の費用も塾など学校以外の費用も、すべて「教育費」ですが、このような費用まで、就学援助でまかなえるわけではありません。学校以外の費用にお金をかけ過ぎると、教育費が不足するという現状は変わりません。教育費をサポートする制度ができても、決して親の負担が楽になるわけではないのです。
だからこそ、奨学金を借りざるを得ない時には、しっかりと不足額を計算し、できるだけ少ない金額を借りる計画を立てたいものです。また、子どもの名前で借り、子ども自身で返済するため、子どもにしっかりと返済の方法を考えさせてから、奨学金の返済を申し込むという流れも欠かせません。「借りたらおしまい」ではないことを親からも子どもに説明してあげましょう。

■受験が終わったあと、予想と実態を把握すること



教育費があまりかからない、もしくは、予想よりもかからなかったというお子様も確かにいらっしゃいます。塾に行かず通信教育だけで勉強し、大学は推薦で自分の希望どおりに進学した。こんなうらやましい話は確かにあります。ただ、これは本当にレアケースと言わざるを得ません。かかった教育費の実態が、準備していた予想金額よりも多くかかったご家庭がほとんどでしょう。
だからこそ受験が終わった後は、家計の見直しが欠かせません。進学した後には大体の費用がわかりますので、進学後の費用を見積もってみましょう。教育費が終了する予定の年まで、おおよその金額と準備した教育費の差額を計算してみるとさらにいいでしょう。
準備した金額が予想よりかなり減っていた場合には、進学後すぐにパソコンを買わないようにしようとか、すぐに購入しなくてもいい教材はないかなど、一旦頭を冷やす時間を作って、出費する時期をずらすなどの対策をたてていただきたいのです。
教育費が不足することがあらかじめ分かっていれば、「車の買い替えをもう少し先にしよう」「新しい習い事をしようと思っていたけれど、少し落ち着いてからにしよう」など、家計の他の部分でも調整できないか、いくつもの対策を考えることができます。

■新年度を迎えるにあたり事前の準備を



春休みは、新年度のための習い事のお試しや、塾の無料授業などに行く子どもも多いでしょう。そんな時、子どもが気に入って通うことになり、あっと言う間に学校以外の費用が増えることがあります。
月々の費用は払えたとしても、「チリも積もれば山となる」の言葉どおり、総額は意外と大きくなるものです。特に勉強系の習い事では、月々の月謝以外にも教材費や特別講習費などがかかり、それにいちいち「否」と言えないケースがほとんどでしょう。
できれば、塾などでは、子どもに言われるままにお金だけ出すのではなく、どこまで勉強をカバーできるのか、月謝以外にどんなものがいくらかかるのかを確認するなど、親しかできない作業を怠らないようにしましょう。以前、コラムでも老後資金と教育費について解説していますが(「人生100年時代に向けての老後資金と教育資金のバランス」)、教育費の負担が落ち着いてから、老後資金を貯め始めればいいとおっしゃる方もいますが、教育費と並行して、少しでも老後資金を貯め始めることが親の老後のライフプランを助けることになります。

■奨学金を借りるなら親がしっかりと勉強しておきたい



どうしても借りざるを得なくなった場合の奨学金についても、もう少し触れておきます。高校生であれば、学校経由で日本学生支援機構の奨学金を申し込むという選択肢になるでしょう。ただ探してみると、企業や公益財団、自治体が募集し、他の奨学金と併用して申し込むことのできる奨学金があります。(参考:日本学生支援機構のサイト「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」
教育費の準備が少ないまま受験に突入してしまうと、講習料金、受験費用などがどんどんかさみ、入学金を払えないという事態にもなりかねません。そうなると、ファイナンシャルプランナーとしては全くお勧めできない教育ローン、貸与型奨学金を利用するということになる可能性もあります。
勉強で頭がいっぱいの子どもに代わって情報収集をしっかりとしてあげてください。無理は禁物ですが、少しの欲張りと適切な手続きをできるよう努めましょう。子どもが考えられない、できないことをしっかりとフォローできる体制を親が作ってあげたいものです。

どんな進学先になったとしても応援してあげられるよう、お金の準備と情報収集はとても大事です。4月から始まる新学期、お子様が新しい生活に晴ればれと進んでいかれますよう、心から祈念いたします。



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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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