祖父母のみなさま

中高一貫校と高校受験、大学受験

2020年02月01日

勉強する手元

■大学入試改革の混乱が中学入試にもたらす影響



このコラムの掲載がスタートする2月1日は、東京都と神奈川県で私立中学校の入学試験が一斉にスタートする日でもあります。リーマンショックによる景気悪化で低迷した中学受験率は、ここにきて再び上昇傾向になってきました。景気の回復に加えて、迷走している大学入試への不安が強くなったためでしょう。
2020年1月18日・19日に最後の大学入学者選抜大学入試センター試験(以下、センター試験)が実施され、2021年1月から後継の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)がスタートします。ところが、文部科学省から2021年1月実施の共通テストにおける英語民間試験の活用と国語・数学の記述式問題の導入延期が発表されました。残り一年程度というタイミングでの仕切り直しに、教育現場では混乱を極めています。
ただでさえ国による私立大学の入学定員管理厳格化の影響で、有力私立大学の入試が難化しているところにこの大学入試改革の大混乱です。先の読めない大学入試を回避したいという思いから、エスカレーター式に大学に入れる大学付属の中高一貫校に人気が集まるのは自然な流れでしょう。また、例え付属ではなくても、6年間で柔軟に大学入試に対応できる中高一貫校への期待は大きく、加えて私立高校には大学からの推薦枠も多いという現実が、中学入試人気に拍車をかけています。



■公立ならお金がかからない、という常識は古い



高校受験・大学受験のどちらにおいても、主にお金のかかるものとして、塾・予備校費用と受験費用が挙げられます。
大学付属の中高一貫校に入学し、そのまま併設の大学まで進むことができれば、中学受験の塾費用や入学後の授業料はかかるものの、それ以降の受験に関する費用はほぼ抑えることができます。付属ではない中高一貫校に関しても、推薦で大学に進学できる可能性が多分にあるので、そうなればやはり受験料を抑えられます。
一方、公立校で進む場合、一般的には高校受験、大学受験のステップを踏まねばならず、多くは受験対策の塾等に通う必要が出てきます。学習塾の費用については、文部科学省の統計によれば以下のようになっています。(資料1)

中高生の学習塾費


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しかし、この平均額は塾に行かない生徒(=塾費用を0円としている)も含めている数値ですので、実際よりかなり低いと感じます。そこで、個人的なデータではありますが、筆者の長女(私立中高一貫校から私立大学へ進学)の経験や学習塾の情報等をもとに、公立コースと私立コースでおおまかにかかる費用をまとめてみました。(資料2)

大学受験までの費用イメージ


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やや極端な例であり、内部進学率の高い付属校でも授業の補習等で塾に通う子はいますし、他大学を受験する子もいます。また、公立・私立どちらにしても、この他にもいろいろお金がかかることを付け加えておけねばなりません。とはいえ、「公立だからお金がかからない」という感覚は過去のものであることを認識していただけるかと思います。

■私立校を通して感じられる地域差



私立高校の授業料に対する国の就学支援金が4月から拡充されますが、私立校が多く存在する東京都では、独自に補助金を上乗せする形で、対象世帯を年収760万円未満から910万円未満へ引き上げるとの決定がなされました(2020年1月10日発表)。一般的に私立世帯は収入が高めで、所得制限によって就学支援金の対象外となるケースが多いのですが、上限額をここまで引き上げれば該当する家庭はかなり増加すると思われます。公立と私立のコスト差は一層縮まるでしょう。
一方、地方在住の場合はそもそも通学範囲に私立校がなく、公立一択であるケースも多いと思われます。その場合、高校までの教育費負担はそれほど重くない反面、大学は離れた場所で一人暮らしとなる可能性が高いので、費用は一気に跳ね上がります。お金のかからない間にしっかり貯蓄しておくことが大切です。

■中高一貫校に入学後のマネープラン




主に費用面から中高一貫校と受験のお話をしてきましたが、現実的にはその点だけで進学をプランニングすることは難しいでしょう。中高一貫校に入学したものの、友達とうまくいかない、校風が合わないなどの理由で高校受験して外に出るケースや、大学付属校に入学したが、上の大学に行きたい学部が見つからないので、結局他大学受験をすることになったというケースはざらにあります。中高一貫校に入学したからといって教育費のプランを先々まで固定してしまうのではなく、柔軟に対応できるものにしておくと安心でしょう。

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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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