祖父母のみなさま

2020年4月から高等学校等就学支援金制度が大幅改正 私立高校も授業料無償化へ

2019年12月01日

女子高生の足元

■時代は教育無償化の流れ



今年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートしています。さらに来年4月からは高等教育の修学支援新制度(いわゆる大学の無償化)が始まります。教育に関する政策は、まさに無償化の嵐。政府によれば、これらの財源は消費税率を10%引き上げたことによる増収分約5.7兆円のうち、約1.7兆円を充てるとしています。
高校については、すでに2010年4月から高等学校等就学支援金制度がスタートし、公立高校の授業料は実質無償化されました。2014年4月からは所得制限が設定され、現在は全国の約80%の生徒が対象となっています。そして今回の消費税増税による教育の無償化の流れの中で、高校に対する支援策についても改正が行われることが決まっています。今回はこの制度の変更点を中心にお話します。



■来年4月から私立高校等の支給額が大幅改正



現行の制度では、年収約910万円未満の世帯※に対して、全日制高等学校の場合、公立・私立問わず一律で年額118,800円が国から支給されています。と言っても、保護者にお金が支払われるのではなく、学校側が授業料に充当する形で受け取っています。国からの支給額と公立高校の授業料額は同額ですので、公立高校は授業料が実質無償というわけです。
私立高校については、年収約590万円未満の世帯に対して、段階的に支給額が加算されています(資料1)。年収が低いほど加算額は大きくなり、逆に年収約910万円を超す世帯は支給対象外となります。
※両親・高校生・中学生の4人家族で、両親のどちらか一方が働いている場合の目安。他の年収目安も同様。

高等学校等就学支援制度全日制私立高校の場合(現行)


※クリックでPDFを表示

2020年4月からは、年収約590万円までの世帯に対し、年収に関わらず加算額が「私立高校の平均授業料を勘案した水準」まで引き上げられます(資料2)。つまり、通学する私立高校の授業料が平均的な額であれば、私立高校も授業料が実質無償となるわけです。

高等学校等就学支援制度全日制私立高校の場合(2020年4月から)


※クリックでPDFを表示

なお、支給対象かどうか判断する所得基準も、保護者等の地方税の「所得割額」から「課税所得」に変更されます。この点に関して、まだ国から詳細な要件が発表されていないようです。特にボーダーライン付近のご家庭では気を揉むところですね。今の段階でできることは、両方のパターンを想定して教育費の対策を立てておくことになります。

■この制度改正による影響は?



この制度改正により、中間所得層のご家庭にとっては、かなりの負担軽減につながります。また、お子さんの進路を考える際、家庭の経済状態に左右されることなく学校選びができるようになるでしょう。
大学の付属校は、大学入試改革の影響もあり、近年すでに人気が高まっていますが、この制度改正によってさらに狭き門になることが予想されます。高校から大学へ内部進学することができれば、今回の授業料無償化に加えて、多額の受験費用も抑えることが可能になるためです。ただ、内部進学を狙うのであれば、進学基準は主に内申になりますので、日ごろから定期テストの成績や生活態度をきちんとクリアしておく必要があります。その点について、お子さんの個性を見極めながら進学先の学校選びをサポートしてあげてください。

■自治体の支援制度も必ず確認を




ここまでは国の支援策について述べてきましたが、自治体でも独自の支援制度を行っている場合があります。
東京都では、2017年度から年収約760万円未満の家庭を対象として、私立高校の授業料実質無償化を実施しています。他にも、埼玉、京都、愛知、大阪、神奈川、千葉なども手厚い支援策を行っています。一方、私立高校生への支援策をほとんど持たない都道府県もあります。これは私立高校の授業料にはかなりの地域差があるためです。よって、私立高校進学を考える際は、お住いの地域の私立高校授業料や自治体独自の支援制度等、幅広く調べておく必要があります。



■早めの情報収集が大切




教育費に関する支援制度等は毎年のように改正や変更が行われていますので、こまめに情報をチェックしておくことが重要です。また、自分のお子さんの学齢近辺だけでなく、少し先の支援制度も常にフォローしておくことをお勧めします(お子さんが小学生なら、高校や大学についてというように)。早い段階から知っておくことで、効率的に教育資金を振り分けてゆくことができますし、進学先の選択肢も拡がるはずです。
「入学したら学校から案内が来るから大丈夫」という受け身の姿勢は、こと教育費に関しては、大きく出遅れる可能性もありますので注意しましょう。

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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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