祖父母のみなさま

晩婚・晩産世帯の教育費の考え方~同時に老後資金の確保が必要~

2019年09月01日

赤ちゃんの手

■統計でみる高齢出産の実際



先月、小泉進次郎衆議院議員とフリーアナウンサーの滝川クリステルさんが結婚というニュースが列島を駆け巡りました。お二人の間にはお子さんも授かっており、順調にいけば滝川さんは出産時に42歳だそうです。彼女のように、40歳前後で初産という話は本当に珍しくなくなりました。
厚生労働省の統計によると、平成30年の総出生数のうち、母の年齢が35歳以上だった割合(※註1)は28.7%、全体の3割弱を占めています(資料1)。また、第一子出産時の母親の平均年齢は、平成30年で30.7歳でした。これは昭和50年に比べて5歳ほど遅くなっています(資料2)。女性の社会進出や多様化したライフスタイルなどが要因でしょう。
※註1 日本産科婦人科学会は、35歳以上の初産婦を高齢出産と定義しています。


出産に関する資料


※クリックでPDFを表示

ところが、晩婚・晩産がマネープランに与える影響はあまり認識されていないように感じます。教育資金と老後資金の必要時期が60代で重なることになるため、教育資金と老後資金は同時に貯めてゆく必要があるのです。
教育資金と老後資金の関係性は、すべての子育て世帯で必ず押さえておきたいポイントです。ぜひ、該当しないご家庭でもご一読いただければと思います。



■マネープランのリスク~晩婚・晩産のケース~



仮に40歳で第一子を出産した場合、通常は親が62歳の時に大学卒業となります。第二子以降もいれば、親の定年後も教育費の支払いが続く可能性が高くなります。
また、会社員の場合、役職定年制度が導入されてきたため、50代前半~半ばで給与のピークを迎え、50代後半から年収が2割程度下がるケースが増えました。60歳で定年を迎えた後に継続雇用や再雇用で働いた場合、年収は現役時代の半分弱程度が一般的です。
子どもに最も教育費がかかる時期と、親の収入減が予想される時期が重なるため、教育費の支払いが困難になるリスクがあります。さらに教育費が終わってから老後資金を貯めようとしても時間がないため、老後資金を準備できないまま実際の老後に突入してしまうリスクも考えられます。

■預貯金の取り分けと共働きを対策の柱に




晩婚・晩産世帯には、子の誕生時から教育資金と老後資金を同時に貯めておくというアドバイスが適切です。しかし、すでにお子さんが中高生となっている場合はどうしたら良いでしょうか。
まずはしっかり現在の預貯金を把握するところから始めましょう。特に、夫婦別財布でやってきた世帯は、きちんとお互いの貯蓄額を確認し、世帯としての金融資産情報を共有します。その方が無駄なく合理的。そこから目的別に取り分けて、必要となる時まで使わないようにします。昔ながらのアナログ的・家計の袋分け管理法のようですが、"○○(子どもの名前)の教育費用"などとして管理すれば、精神的な抑止力となり、いつの間にか使ってしまったという事態を防げるので、意外と有効です。
教育資金の目標額としては、ざっくりとお子さんが18歳までに400~500万円。預貯金等から取り分けても足りない場合は、早めに生活費の見直しをして積み立てに回します。晩婚世帯は、結婚当初経済的にゆとりのある場合が多く、お子さんが小さいころから習い事などにお金をかけがちです。しかし、その思考のままで中学以降の学費もかけてしまうと、家計が破綻してしまう恐れがあるので注意しなくてはなりません。
老後資金については、目標額は個別に試算が必要なので一概には言えません。しかし、退職金・年金がある人でも、さらにまとまった金額を必要とする場合が多いです。もし老後資金が不足すると予測されるなら、生活費の見直しよりも収入を増やすことを検討すべき。妻が専業主婦なら、少しずつでも仕事を始めましょう。共働きをできるだけ長く続けることで貯蓄も進みますし、二人分の退職金や厚生年金があるなら、貯めるべき老後資金も少なくて済みます。



■どの家庭でも共通する問題という認識を




繰り返しになりますが、高齢出産に該当しないからと言って他人事と捉えないでください。平均出産年齢が遅くなってきていることや、50代から収入が下がり始める傾向は社会全体で共通していることですので、どのご家庭でも教育費が終わってから老後資金を貯めるのでは遅い、という状況は同じなのです。
最後に、お金とは直接関係ない話ではありますが、夫婦ともに長く働き続けるためにも、健康面は十分に留意しましょう。何しろ40代からの子育ては体力勝負。夫婦どちらか一方だけで抱え込まず、ご家族で協力しながら乗り切ってほしいと思います。

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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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