祖父母のみなさま

高等教育無償化はあてにし過ぎてはいけない

2019年04月01日

ハルジオン

4月は新たな生活が始まる方も多いと思いますが、受験生活の始まりだとゆううつになるお子さんもいるでしょう。保護者にとっても大変な一年が始まります。最近は、受験生活の間、費用がそれほどかからなかったというお話を聞くことはなかなかありません。そんな中、何度も高等教育無償化というニュースが流れましたから、「もしかしたら我が家も…?」と期待している方も多いでしょう。今回は、この高等教育無償化を使える場合と使えないときの対策について考えてみましょう。

■無償化が使える人はどんな人



高等教育の無償化の恩恵を受けられる方は、対象がかなり限られます。所得制限がありますので、本当に支援が必要な方のみ対象になるというのが大きな特徴です。これは、今、実施されている高校生への就学支援や、今後予定されている未就学児の保育料無償化より、もっと厳しい条件となり、支援を受けられる方はいるものの、かなり少ないことが予想されます。
所得制限とは、原則として住民税非課税世帯とそれに準ずる学生が対象です。目安としては、両親、本人、中学生の家族4人の世帯年収が約380万円までが支援の対象となる予定です。(注:実際は多様な家族の形態があり、基準を満たす世帯年収は家族構成によって異なります。)この所得要件を満たしてはじめて、授業料及び入学金の減免と給付型奨学金の支給を併せた支援が受けられるようになります。

■対象とならない場合も考えておくこと



高等教育無償化は、閣議決定されましたが、まだ国会で法律審議が終わったわけではありません。施行は2020年4月の予定ですが、それまでに詳細を詰めた内容が発表されると思われます。ただ、財源の問題もあり、所得制限が緩くなることはないでしょう。
以前、全ての高校生の授業料が無料になった時期がありましたが、その後所得制限ができ、所得に応じた今の就学援助制度につながっています。法改正で、もし援助を受けられると思っていても、将来、条件が変更されることもあるかもしれません。対象とならないことも予想して、貯蓄の習慣は続けてください。
子どもが中高生になると、携帯代や塾代、交通費など、小学生までとは比較にならないほど費用がかさみます。大学への納入金を納める時期として一番早い高校3年の秋に照準をあて、現時点からどれくらいの月数が残っているかを計算して、天引きできる期間と金額の貯蓄計画を立てるようにしましょう。

■受験するまでの費用は工夫が大事



教育費はいくら必要になるのか、なかなか予想ができませんし、子どもが勉強したいと思った時に、お金がないからやめなさいと言うのは、親として非常に辛いことです。ところが、親がやりくりしないと教育費はどんどん膨らみます。毎年、日本政策金融公庫が公開している、教育費負担の実態調査によると、教育費のやりくりは、レジャーや娯楽を控える、子どもにアルバイトをさせるなどの方法が毎年上位に入ります。
もう一点、できれば覚えておいていただきたいことがあります。中学3年生、高校3年生の受験生の1年間はまさに全く貯蓄ができない1年間です。この年の家計は、まさに自転車操業となります。その中で何ができるかですが、それは、まさに新生活が始まる今の時期、受験までの費用を親子でしっかりと話し合うことでしょう。
例えば、すでに志望校が決まっている時には、早くからAO入試を考えておくと、冬季講習代や正月特訓などの塾代を節約することができます。また、進学後の生活について、親子でしっかりと計画できる時間の余裕が生まれます。大切なのは、単に「お金がない!」と言うだけでなく、自分の家庭では何ができるのか、ご家族で話し合うことです。



ファイナンシャルプランナーとして、事あるごとに、親子でお金のことを考える重要性について強調してきました。でも、自分の子どもはお金の使い方があらくて任せられないと心配される方がほとんどです。普段、お金についてありのままを子どもと話す習慣がなくても、受験時期はとてもいい時期と言えます。将来のことも含めて、金銭面で親としてできること、できないことを子どもに説明してあげましょう。子どもに対する援助や給付は、そのときの政治の影響を受ける可能性があります。まずは、自分のご家庭でできることを確認する作業をした上で、使える制度を見極めたいものです。



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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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