祖父母のみなさま

中高生がいる家庭が知っておくべき教育費の考え方

2019年03月01日

団地

2019年は「平成最後の」という言葉が色々な場面で聞こえてきます。年号の替わる5月以降は、新しい時代の幕開けのような錯覚すらしそうですが、子育てはいつの時代であろうと基本方針が変わるとは思えません。様々なテーマで1年コラムを継続させていただきましたが、今回は1年のまとめとして、中高生がいる家庭の教育費について考えてみたいと思います。

■決定された幼児化教育と高等教育の給付は当てにし過ぎない



2月12日のニュースで、幼児教育無償化と高等教育の給付が閣議決定されたと報道されました。既に知っている方も多いかと思いますが、おさらいしておきましょう。
幼児教育無償化とは、3歳から5歳までの幼稚園や保育園の保育料が不要になるということです。0歳から2歳までは所得の要件がありますが、3歳から5歳までは所得の要件はありません。兄弟がいる方にとっては朗報といえます。
次に、高等教育の給付の制度ですが、大学や専門学校などの高等教育に進学した場合、生活費をまかなえるように、平均的な学費を奨学金として給付するという制度です。これによって、大学進学のための教育費は準備しないでいいのかというと、それは間違いです。給付がされるといっても、安心はせず、将来発生するであろう「教育費」として、別枠に貯蓄するようにしましょう。援助されたとしてもレジャー費など、別の支出として使ってしまうことは控えたほうがよさそうです。

■援助を受けられるのは永久ではない



非課税世帯とはいくらの年収かが気になるところでしょうが、一概には言えません。下表を見てください。

表.課税所得税の計算の仕方



課税所得税の計算の仕方

参考:東京都の場合、所得割、均等割が非課税
(ア)生活保護法による生活扶助を受けている方
(イ)障害者、未成年者、寡婦、寡夫で前年度の所得金額が125万円以下
(ウ)控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合 35万円以下

会社員の方は、昨年5~6月に会社から渡された住民税の通知を見直してみましょう。個人事業主の方は直接、自治体から郵送されてきているはずです。住民税はそもそも①所得割②均等割③利子割④配当割など複数の計算式で構成されています。国に治める所得税とは控除の仕方も少し異なります。たまたま、要件にあてはまればいいですが、あえてこの援助を見越して、親が働き方を調整するなどするのはあまり効果的ではないといえるでしょう。
子どもの教育費の準備方法は、「できるだけ早い時期に貯める」というのが王道です。教育費の準備は、「子どもが生まれた時から始めましょう」とフィナンシャルプランナーとしては言い続けてきましたが、生まれた時からできていない方もいると思います。その場合には、気付いた今から、そして兄弟がいて幼児教育の無償化の対象となれば、その分を貯蓄するなど、少しでも早く準備することが大事です。
また、兄弟で準備方法を変える柔軟性も必要でしょう。上の子どもと下の子どもで、法律が改正されることもありますし、新しい貯蓄商品が出てくることもあります。上の子どもで「A社の学資保険で準備してある」といっても、下の子も同様の商品で準備する必要はありません。上の子の教育資金として利用した商品が下の子の時にもベストであるとは限りません。



■中高生まで何もしてこなかった家庭が中高生の時にしておきたいこと



教育費の準備をほとんどしないまま子どもが中高生になってしまい、「今」このコラムを読んでいる方にお伝えしたいのは、「今すぐ始めましょう」ということです。
中学1年生であれば、大学受験に向けて6年あります。受験時期が中3生と高3生の2回来る方は、それ以外の時期に貯蓄できる金額の確認を、高3生なら1年間で貯められる金額を計画してください。手遅れだとあきらめず、受験料と入学金だけでもとりあえず確保することを目標にしましょう。できれば前期の授業料まで準備したいところですが、準備できそうにないなら、奨学金の申請の準備に入ります。
ここで、「どうせ借りるのなら、入学金も借りてもいいんじゃない?」と思うかもしれません。でも考えてみてください。奨学金は将来的に子どもが返済するとしても、入学金のための教育ローンは親が返済するのです。今後、親の老後資金の準備に影響が出るのは避けたいものです。
奨学金の返済方法を親子で考えるということも中高生の間にしておいてください。参考として、「奨学金利用者にとって返還プランの理解は最優先事項」をご覧ください。

中高生の6年間は子どもにとって成長過程でしょうから、進路がぶれたりすることはもちろん考えられます。だからこそ、親としては、子どもがどの進路を選んだとしても、教育費として確実に出すことのできる金額を設定して、将来の子どもと親、それぞれの負担をできるだけ軽くするための計画を中高生の間にするようにしましょう。大学進学が当たり前となったものの、奨学金を借りる学生も当たり前のようになっています。この借金を当たり前にしない計画性を持ちたいものです。



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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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