祖父母のみなさま

高校生が使える就学援助と注意点とは

2018年12月01日

手水

子どもがいるご家庭にファイナンシャルプランナー(FP)としてアドバイスをさせていただく時、「子どもが小学生の間にしっかりと貯蓄しておきましょう」とよく言います。わざわざ言われなくても、と思うかもしれません。ところが、この「小学生の間までに貯蓄する」という一見簡単そうなことが難しい時代になっています。
もし小学生の間に貯蓄ができなかった場合、そのしわ寄せは高等教育に及びます。貯蓄できなくても援助を受ければよいと思っているかもしれませんが、援助には落とし穴もあります。今回は高校生の時に受けられる就学援助について、注意点をお話しましょう。

■就学援助とは



経済的理由によって就学が困難な義務教育中の児童の保護者に対しては、就学援助がされます。学用品やクラブ活動費、通学費、学校給食費、PTA会費など、様々な費目で給付されます。
就学援助は、原則として、学校でかかる費用の援助となりますので、携帯電話代や習い事の費用は給付されません。今や小学生からスマホを持たせるご家庭もありますし、中学生になれば塾へ通うようになりますが、こうした費用は援助の対象ではないのです。
また、就学援助は義務教育だけではなく、高校生に対するものもあります。高校の就学援助のポイントは、私立高校に通う高校生でも援助が受けられるという点です。
東京都と神奈川県の場合の就学援助の例を挙げてみましょう。原則として国の就学支援金のみで、各都道府県の授業料平均額までの水準の支援が可能ではあります。(出所:文部科学省「都道府県別私立高校生への支援制度」)。



私立高校生(全日制)への授業料等支援【東京都】


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私立高校生(全日制)への授業料等支援【神奈川県】


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私立なんてお金がないから行かせられないと思っていたとしても、子どもが私立高校を希望した場合や、公立高校に不合格となり、結果私立高校に行くことになった場合でも、こうした援助があることを知っていることで、進路への選択肢が広がるのではないでしょうか。

■就学援助だけでは大学受験を乗り越えられない



希望通りの高校に合格すると嬉しいものです。ただ、その合格体験がなかなか抜けず、高校進学後も勉強へのスイッチがなかなか入らないというケースを学校の先生に聞いたことがあります。一方、入学前に0年生として授業が始まる塾もあり、高校入学前からすぐに塾に通い始める学生もいます。
大学受験に使われるセンター試験は2020年から廃止となりますから、高校に入学した後も継続的に勉強の習慣を続けないと、新たな大学試験には対応できないという不安感から仕方のないことかもしれません。ただ、中学生の間にかなりの塾代を払い、さらに高校進学後も学校以外の費用を支出するのは難しいご家庭もあるでしょう。
私立に進学した場合は、各都道府県で支援制度が異なります。各都道府県によって入学金の補助があったり、給付ではなくて「貸与」という支援もあります。高等学校の全日制や定時制、通信制や、高等専門学校、各種学校などの学校の種別によっても援助月数や金額が異なります。いずれにしても、就学援助はもらえたとしても、本来の学費以外の費用をどう工面するのかが問題となるでしょう。



■就学援助をしてもらっている間に貯める習慣をつけること



就学援助はあくまでも学費の援助ですから、例えば、大学生への奨学金のように「余ったら貯蓄」することはできません。でも、就学援助を受けることで確実に家計の負担は軽くなっているはずです。ですから、その分、少しずつでも構いません。貯蓄の習慣をつけましょう。
大学進学時には奨学金で行かせる予定のご家庭も多くなっています。ただ、入学後の給付となる奨学金では、「入学前」に納付が必要な入学金に充てることはできませんので、最低限、入学金の分だけは貯蓄をしておく必要があります。
大学進学に少しでも有利になるよう、民間の英語検定を受験するなど、子どもの費用負担は確実に増しています。子どもが中学生以上になると、家計は自転車操業になり、見直しをすることはなかなか難しいかもしれませんが、せめて、大学受験を考えているご家庭では、「援助を受ければいいから」「奨学金をもらえばいいから」などと考えず、援助してもらった分、「貯蓄する」という強い気持ちを持ってもらいたいものです。

高校生への就学援助は保護者の所得によって支援の内容が異なりますし、都道府県によって所得基準も異なります。独自の支援があるケースもあります。子どもが勉強している間、親にできることはお金の準備です。どんな時にどんな支援が受けられるのか、もし受けられないのなら、その後の教育資金計画を見直すなど、家計を見直す必要も出てくるでしょう。



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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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