祖父母のみなさま

人生100年時代に向けての老後資金と教育資金のバランス

2018年09月01日

積み木

■長寿化時代の先頭を切って走る日本




ライフプランニングを考える場合、人生を80年と設定するのは、もはや時代遅れとなりました。「人生100年時代」というキーワードをメディアで見ない日はないくらい、長寿化の波は押し寄せてきています。
イギリスの学者リンダ・グラットン氏らによる話題の著書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」によれば、日本で2007(平成19)年に生まれた子どもの50%が107歳まで生きる見通しで、これは先進国の中で最も高い数字となっています。

こちらのコラムをお読みの親御さんは、さすがに2007年生まれということはないと思いますが、だからと言って全く関係ないと思わないでください。厚生労働省がこの7月に発表した2017(平成29)年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高でした。
医療技術の進歩で、がん・心疾患・脳血管疾患の3大死因による死亡率が低下し、健康意識の高まりなども受けて、平均寿命がさらに伸びることは容易に想像できます。

現役世代は最低でも90歳まで生きることを想定してライフプランニングすべきでしょう。仮に60歳でリタイヤしたとすると、30年もの長い引退生活期間を、就労収入ではなく、年金収入や預貯金の取り崩しで生きてゆくことになるのです。

これらのことから現役子育て世代が考えなくてはならないことは、多額の教育費がかかる中で、老後資金と教育資金のバランスをどうとるか、ということになります。



■長寿化に対応するためにまずすべきこと




さっそく現状確認をしましょう。ベストなのは現在の収支や預貯金額を確認したうえで、将来の収支やライフイベントにかかる予算、住宅ローン額、自分たちの退職金予定額、受給できる公的年金額などの想定額を記入したキャッシュフロー表を作成し、90歳時点での資産残高を予測してみることです。
しかしこの作業は調べることが多く、きっちりやろうとすればするほど心が折れてしまいがちです。

そこで、イメージだけでもつかむべく、家族の年表を作ってみます(親の)年齢は90歳までのもの)。そこに下記のような統計上の数字を当てはめてみましょう。(資料1、2)

資料1


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資料2


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総務省の家計調査(平成30年2月16日公表)によれば、2017年における高齢夫婦無職世帯の月々の赤字は約5万5千円、年間にすると約66万円で、単純にこれが30年間続くと少なくとも2千万円弱の資金が生活費の取り崩し用としてリタイヤ時に必要な額となります。
注意すべきはこの他にも住居のメンテナンス費用、車の買い替え費用、入院・介護費用、旅行費用など、それぞれのライフプランやイベントに合わせた特別支出が必要ということ。それらの30年分の積み増し費用は1千万円単位になるでしょう。



■これからの時代の優先順位は「老後資金>教育資金」




90歳まで問題なく暮らせそう、という感想を持った方は少数派と思われます。

人生においてお金のかかる事柄は教育費だけではありませんが、住宅や車の購入なら比較的冷静にグレードを下げたり、購入そのものを諦めたりする判断ができるのに、教育費に関しては、子どもの将来がかかっていると思うと無理をしてでも負担してしまいがちです。

それを防ぐためには、早い段階から家計の現状把握、将来の収支予測を行い、まずは優先的に必要な老後資金を取り分けます。残った中で兄弟姉妹の教育費のバランスも考えながら、一人当たりにかけられる教育費の妥当なラインをあらかじめ導き出しておくことです。その際、子どもがイメージしやすい表現に落とし込んでおくと良いでしょう。

例えば
・私立中学は授業料だけでなく、受験のための塾の費用も高額なので我が家ではむずかしい。
・私立を考えるのは(付属高校も含めて)高校以降で。 などなど
これから先、何回もお子さんの進路決定という場面に直面します。
これまで教育の場面でお金の話はタブー、ましてや子どもに親の懐具合を話すなんて、という風潮がありました。

しかしこれからは子どもの希望に耳を傾けつつも、親からも経済的な要望は臆さずに話すべきだと考えます。親子で双方にとって条件の合う進学先を見つけ出すことは非常に価値ある行動ですし、これからの長寿化時代において、長生きリスクを乗り切るためには、家族間の理解が不可欠となります。

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[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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