祖父母のみなさま

将来のために親子で考えたい塾や習い事の費用

2018年07月01日

野球に夢中の子どもたち

文部科学省が学習指導要領として「生きる力」を掲げてから数年が経ちました。大学を選ばなければ、全入、すなわち誰でも高等教育を受けることが可能となっている今、選択肢があり過ぎて、子どもを持つ親にとっては何が「生きる力」なのか、身につけさせるにはどうすればよいのか、「正解」がないため、悩ましい状況ではないでしょうか。
その子ならではの才能を伸ばすために、小さい頃から習い事をさせたいと思うのは親として当たり前の希望です。そこで今回は、変化する教育指導要領や授業内容、受験制度を意識した、学校の外での習い事について考えてみましょう。

■好きなことプラス有利な習い事とは



これまでの習い事といえば、小さい時には水泳などのスポーツを習い、ある程度大きくなると勉強を補助する学習塾などという流れがほとんどでした。ところが、少子化が進み、子どもの早期教育熱が高まる中、文部科学省でも教育改革が進められています。
文部科学省の公式ウェブサイトを見ると、高大接続や公立の中高一貫校の設立など、親の時代から考えると、学校のイメージもがらりと変わり、かなり勝手が違うように感じるでしょう。
先日のニュースで、ある企業では、一定の技術をすでに持っている新入社員や、その企業でインターンとして一定の実務経験がある新入社員については、能力に応じて、初任給が数十万円から数百万円が上乗せされるという記事も流れました。今後は子どもが学校を卒業するまでにどんな経験をしたか、どんなことができるかによって、その後の給料にも差が出るという時代になるのでしょう。
今後、子どもの習い事を検討する際には、将来につなげられる、「好き」プラス「就職するために有利なスキル」かどうかも考慮したいものです。

■習い事で英語と理数系技術はチャレンジしたい



グローバルという言葉がよく使われるようになりましたが、実現するまでの道のりは長いものです。2003年に英語が使える日本人を育成するための行動計画が文部科学省で立案されてから、15年が経過しています。しかし英語を話せるようになった日本人が増えたかというと、日本の教育課程を普通に履修しただけでは、そこまで到達しないのが実情でしょう。
ただ、目前に大きな教育改革が控えています。2020年からは中学校でも英語の授業は英語で行うことが基本となり、小学校5、6年生では、英語が正式な教科となることが決まっていますし、プログラミング技術も必修となるようです。
大学入試についても、2020年から実施されることになっている入学共通テストでは、外部の民間試験の活用が不可避となるようです。これらの英語検定では、「話す」「聞く」「書く」「読む」の4技能が必要とされており、「聞く」「読む」の2技能の教育に長く力を入れてきた学校に行くだけで急にバランスよく学べるとは思えません。親としては、自分が教えられないことは、学校以外での習い事にせざるを得なくなってくるでしょう。



■習い事にかかる費用を意識すると



子どもの習い事にいくらかけるのかは、いつの時代も親にとって悩ましい問題です。参考までに、平成28年度子どもの学習費調査の中から、学校外活動費の費用を挙げておきます。(下記表参照)

学校外活動費 出所:文部科学省平成28年度「子どもの学習費調査」
学年別学校外活動費 公立(総額1,424,252円) 私立(総額1,820,657円)
区分 合計 補助学習費 その他の学校外活動費 合計 補助学習費 その他の学校外活動費
中学校 1年 225,137 148,870 76,267 278,592 177,270 101,322
2年 258,134 195,165 92,969 307,971 201,246 106,725
3年 415,821 369,515 46,306 376,491 233,976 142,515

高等学校

(全日制)

1年 143,918 109,973 33,945 236,037 169,400 66,637
2年 177,481 140,040 37,441 287,637 229,970 57,667
3年 203,767 178,697 25,070 333,929 293,964 39,965


この表を見ると、公立より私立に通学している子どもの方が、学校以外にかける補助学習費や習い事にかける費用の総額も多くなるのがわかります。高等学校授業料無償化を受けて、所得によって異なりますが、就学援助を受けられるようになった今、私立高校へ進学するハードルが下がっているようですが、私立に行くことで、学校以外の費用も総じて高くなりがちということは覚えておいてください。
高校の学費が思ったより安く済んだとしても、学校外の費用をかけ過ぎて、大学の進学費用の準備が十分でなく、奨学金や教育ローンを借りることになると、本末転倒です。お金の計画は一度狂ってしまうと、結婚費用、住宅取得費用、老後資金など、どんどん後にずれ込みますから、修正が大変です。
たとえば英会話を習うにしても、大学の生涯学習センターや高校生向けの講座など、比較的安価に学べる講座を探してみるなど、習い事をするための工夫も必要でしょう。区と大学が連携し、教材を提供するなどの試みをするところもあるようです。どこに住むのかもポイントとなるでしょう。

FPとしてよく言っていることですが、子どもが小学生を卒業するまでにしっかりと貯蓄していないと、その先は貯蓄できない状態が続くはずです。中学校までが公立であるなら、一定の貯蓄ができる可能性はありますが、私立受験を目指す場合であれば、小学校高学年から貯蓄できない状態であると思った方がいいかもしれません。
好きなことを思い切りさせてあげたい親心も大事ですが、習い事の最終的な目的は、将来しっかりと自活するためのスキルを子どもにつけさせてあげるためであることを意識して、厳選することを忘れないようにしたいものです。



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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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