祖父母のみなさま

高校生までの教育費の準備方法とは

2017年09月01日

浜辺を歩く親子

子どもの教育費は、「高校生まで」と「高校卒業後」で分けて考える必要があります。高校卒業後の教育費は高額になりがちだからです。小学校から高校までの教育費を払いながら、この高額になりがちな教育費を準備する方法を考えてみましょう。
「子ども保険」なるものの創設や「高校大学などの高等教育の無償化」、はたまた「教育国債で大学授業料は出世払いで」など、政治主導で子どもの教育費関連のいくつかの提案がなされていますが、安心するには早いです。今後も教育費については自助努力が欠かせないと言わざるを得ないのです。

■日本の子どもの6人に1人が貧困って?



平成27年、厚生労働省の推計による最新の日本の子どもの貧困率は16.3%だったそうです。約6人に1人の割合で、こんな豊かな日本で貧困という言葉は違和感があるでしょうが、現実の話です。1980年代以降、日本全体の貧困率も上昇していますが、子どもの貧困率は特に早いペースで上昇しているのです。
子どもが十分な教育を受けられないまま社会に出ると、非正規労働者や有期雇用労働者などの不安定な労働条件で働き、所得が上がらないこともあるでしょう。貧困が子どもに連鎖していかないよう、子どもができた時から、どんな教育を受けさせるのか、親がしっかりと考えておくことが大事なのです。
例えば、冒頭でお話しした子ども保険ができるとしても、実際は、平成29年で上昇が止まるはずの厚生年金保険料と一緒に徴収されるという仕組みです。給付はされても、実は給与から天引きされる額が増えるという状況では、ちっとも家計が楽になるとは思えません。

貯蓄と支出をバランスよく
貯蓄体質になるために、セミナーなどでよくおすすめしているのは、収入のうち、10%を天引きで貯蓄するという方法です。平成28年度の賃金統計による平均賃金は335,200円なのですが、仮に、この平均賃金を使用すると、335,200円×12か月=4,022,400円が年収となり、年間での貯蓄金額は402,240円と計算できますが、実際は、それほど簡単なものではないでしょう。
総務省の家計調査から、2人以上世帯の平成29年6月の消費状況を、以下にピックアップしてみました。平均ですので一概には言えませんが、子どもがいると、被服にしても教育費にしても、もちろんこんな金額ではすみません。子どもがいる世帯は、支出しながら貯蓄するのに大変な苦労を強いられる時代なのです。できれば、10%の貯蓄を続けていただきたいですが、できなければ、子どもが小学生までは15%にしよう、中高生のときは5%にしようなど、バランスの取れた貯蓄計画を立ててください。余ったから貯蓄しようという考えではいつまでたっても貯金することはできません。

2人以上の世帯の消費状況(平成29年6月)
 消費合計  268,802
 食料  70,076
 住居  18,345
 光熱・水道  18,395
 家具・家事用品  10,624
 被服及び履物  9,897
 保健医療  13,260
 交通・通信  37,331
 教育  7,615
 教養娯楽  27,468
 その他の消費支出 55,791
(総務省統計局 家計調査より
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

■自助努力以外の情報は集めておきたい



自助努力以外の援助として、高校生までは就学援助というものがあります。ただ、医療費の補助もそうですが、自治体によって援助の内容や条件が異なるケースがあるのと、政府によって制度が途中で変わることも珍しくありませんので、あてにし過ぎないことが前提です。
しかし、子どもが高校生になるまでに目標額を貯蓄できなかった場合には、自助努力以外の何らかの方法を考えざるを得ないでしょう。大学に進学する費用は、毎月の収入の枠内でまかなえる場合が少ないからです。日本学生支援機構による所得連動型の奨学金返済や、教育国債構想など、いくつか高等教育に関する援助制度は出てきていますが、安心して頼れるとは言い難いものです。学生が就職して、一定の収入が確保できれば、返済する仕組みということですが、そもそも就職してずっと右肩上がりの収入が確保できるかどうか、長期間一定の収入を超えなければ免除になるのかなど、詳細はわかっていません。
一方、自助努力以外の方法はバリエーションが増えてきました。例えば、青森県の青森銀行など5つの団体は、奨学支援プログラム「おかえり奨学金」を創設しました。Uターン就職すると、教育ローンの元金を給付し、インターン期間中の給与で金利分を支払い、実質0になるなどという制度です。子どもが大学進学するにあたって、教育費が足りないとなった時に、何か他の選択肢がないのか、使える情報を集めておくことがとても大事です。内閣府のウェブサイトで子どもの貧困対策として「子供の未来応援プロジェクト」というページもあります。経済支援や教育支援など自分が求める支援の情報を検索できますので、ぜひご活用ください。

日本は世界で2位の長寿国であり、平均寿命は過去最高を更新し続けています。子どもの教育費が親の収入を圧迫し、老後の人生設計もままならないことにならないよう、まずは、子どもが生まれてから高校生までは「家計の範囲内での教育費の支出と同時並行に貯めること」を基本に頑張っていきたいものです。

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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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