祖父母のみなさま

夏休みを機会に考えておきたい、学校以外の活動にかけるお金のこと

2017年08月01日

池のほとりの少年二人

夏休み、それは子どもにとっては長い休みの始まりで楽しいものでしょうが、子どものいる親からすると、長い休みに何をさせるか、どれくらい費用をかけるのかは、悩みどころです。今回は、学費以外の子どもの費用を考えてみましょう。


■データを読み解く



まずはじめに、子どもの学校以外の活動費用を意識するために、文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」からいくつか気になるデータをピックアップしてみます。
(注:金額はいずれも平成26年度の年額)

データ①
学校種別による学習費総額の推移の中から学校外活動費をピックアップ(単位:円)

※構成比:教育費の中で「学校外活動費が占める割合」
 
公立小学校
私立小学校
公立中学校
私立中学校
公立高等学校
私立高等学校
学校外活動費
219,304
604,061
314,455
312,072
167,287
255,151
構成比(%)
68.2
39.3
65.3
23.3
40.8
25.6
(文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」結果より筆者作成)

ここで見ていただきたいのは、例えば公立の中学校に行っても、高校受験のために学校以外の費用が私立中学校以上にかかること、そして、私立中学校に行っても、学校の授業についていくために塾や家庭教師など、何らかの費用ねん出をしているということです。

データ②
人口規模別(学習費の地域的な特性)に見た公立中学校の学校外活動費をピックアップ(単位:円)

 
平均
5万人未満
5万人以上15万人未満
15万人以上
指定都市・特別区
学校外活動費
314,455
211,942
284,910
316,041
414,781
(文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」結果より筆者作成)

学校外活動費は、人口規模がもっとも小さな地域と大きな地域では年間20万円程度の差があります。子どもを産む際に、保育園に入りやすい、もしくは環境のよいところに引っ越すということはよく聞きますが、子育てのため、人口規模の多い地域に住むことを選ぶと、最大で年間20万円、中学校3年間では60万円程度の費用がプラスで発生することとなります。親がそもそも教育費にそこまでかける気がなかったとしても、住む地域によっては、子どもの意向で、あるいは周りのご家庭の教育方針に影響を受けて、塾に家庭教師にと、想定外の費用がかかる可能性が高いということです。

■高3の夏までに必要な費用を逆算する



大学の受験は一般的に冬に始まると思っているかもしれません。それは、毎年センター試験のたびに、大雪で受験生が往生するシーンがテレビや新聞で放映される影響もあるでしょう。ただ、今や国公立大学でさえ、推薦やAOによる入学試験がある時代。受験は夏から始まるというケースがあるのです。
ということは、運よく推薦入試等に合格すると、9月もしくは10月に、大学に納める納付金が必要ということもあり得るのです。もし、このコラムを読んでいるのが中学1年生の保護者であれば、あと61ヶ月(中学1年生の8月から高校3年生の8月までと計算)で、130万円程度が、家計に別途準備できているのかを確認してみることをおすすめします。
もし、公立中学校と公立高校に通い、平均の学校外活動費を負担しながら納付金を準備しようとすると、ひと月あたり単純計算で21,311円程度の貯蓄をする必要があります。子ども一人のために学費を負担すると同時に、更に貯蓄に回す、これは出費の多い中高生の親にとっては、なかなか大変といえるでしょう。

データ③
私立大学の初年度納付金(単位:円)

 
授業料
入学金
施設整備費
合計
私立大学
864,384
261,089
186,171
1,311,644
私立短期大学
693,495
245,783
173,825
1,113,103
(出所:文部科学省「私立大学の初年度納付金」)

■単なる節約にするか、それとも工夫にするのか?



これまで、いくつかの数字を出してきましたが、ここまで読んだ時点で、「疲れた~」となる方もいらっしゃるでしょう。しかし、これはあくまでも平均のデータです。実際には、負担0円の家庭も含まれていますので、1円以上負担している方で再集計すると、負担はもっと大きくなるはずです。ですから、この夏休みを契機に、学校以外で習い事、塾等、何らかの費用を考えているご家庭は、「この費用がいつまで続くのか」「この費用をこちらに変えたら、この分を貯蓄に回せる、子どもの大学費用に回そう」などという発想に変えるということが大事なのです。
もちろん、親だけが悩む必要はありません。できれば、この長い休みには、お子様に少し大きな金額を持たせて、その中でのやりくりをさせるということもよいでしょう。中高生のお子様に、全くお小遣いを与えていないというご家庭はおそらくいらっしゃらないでしょうから、今後はお子様にも自分にかかる費用を考えつつ、限られた予算の中でやりくりしてもらい、親子そろって進学費用の準備のための取り組みを始められるのはいかがでしょうか。学校以外の費用は、単に節約と考えると、子どもにとっては不満がつのることもあるかもしれません。そこを親子で話し合い、大学進学を見越して親子そろって毎月の貯蓄額を考える、もしくはほかの方法がないか工夫を考えてみましょう。

子どもにお金のことは言いたくないというご家庭もあるでしょうが、学校以外の費用はコントロールできるものですから、そのためにも自分にかかる費用を子どもにも意識してもらうこと、これはとても大事なことではないでしょうか。

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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://homepage2.nifty.com/moneychild/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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