祖父母のみなさま

もしもに備えて、高校生の親が知っておくべき就学のための援助とは

2017年05月01日

雨に濡れたバラ

■全国の一律な制度、高等学校等就学支援金



思いがけない進路の変更をはじめ、親の所得の減少や突然の離婚など、さまざまなことが要因となり充分な教育費が用意できないことがあります。
そうした場合に備えて知っておきたいのが、全国の高校等に通う生徒が安心して勉学に打ち込めるよう設立された、高等学校等就学支援金という制度です。国から学校に直接交付し、家庭の教育費負担を軽減しています。
この制度、実際の生徒数を操作して、国から不正な援助をもらった学校があったことから、有名になってしまった感はありますが、元々は学校に保護者が払うべき費用を、直接国が学校に払ってくれるという高校生にとってありがたい制度です。ただ、支援金をどのように充当するのか、いつから授業料の減額をするのかなどの取り扱いは学校ごとに異なります。
申請の対象となるかどうかは所得によります。表を見てみましょう。保護者の所得による給付月額の違いがあり、世帯年収が910万円以上であれば対象外です。

 
世帯年収
支給月額
 生活保護世帯  250万円未満
24,750円
 住民税非課税世帯  250万円未満
24,750円
 住民税均等割のみの世帯  250万円未満
24,750円
 区市町村税所得割が51,300円未満  250万円から350万円
19,800円
 区市町村民税割が51,300円以上154,500円未満  350万円から590万円
14,850円
 区市町村民税所得割が154,500円以上304,200円未満  590万円から910万円
9,900円
世帯年収910万円以上は支給無

前年度の所得が対象になれば、申請は入学時には4月から6月、7月から3月までと二回に分けて申請する必要があり、いずれも申請期限が決まっていますので注意する必要があります。特に、私も覚えがありますが、中高生の子どもは、新年度になり忙しい生活を送っているせいでしょうが、忘れた頃にカバンから学校からのお便りを出してくる傾向があります。時々は、「カバンに何か大事なお便りが入っていない?」という声かけも必要でしょう。原則として、書類の提出を忘れると、遡っての支給はされません。

■高校生対象の奨学金も知っておきたい



奨学金というのは、原則的に、借りたら返す必要があるお金です。これが前段の「就学支援金」との違いです。お住まいの自治体によっては、返さなくても良い奨学金があるケースもありますが、成績だったり、進学先、親の所得だったりと、無条件に返さなくてもよいケースはまずありません。
申請は毎年必要です。新入生と2、3年生では貸し付ける月額が異なっていますので、新年度が始まってすぐ借りる予定の方は、新年度になってすぐの手続きを予定しておきましょう。
そして、もう一つ、高校生対象の奨学金で忘れてはいけないのは、高校3年生が申請する日本学生支援機構の大学等予約奨学金です。まだ大学進学が決定していない段階で大学後の費用まで考えるのは大変難しいものですが、募集時期が高3の5月から6月だからです。
ただ、これを予約したことで、大学進学の費用はこれで準備は大丈夫とは考えないでください。奨学金が受け取れるのは、進学後です。高3の時に支払うべき、初年度の入学金や授業料の費用に充てることはできませんので、別途、この費用を見積もっておかなければなりません。

■卒業後に返済するお金をイメージしておく



私も3人の子どもがいますので、子どもの成長に伴ってどんどん増えていく教育費の恐ろしさは充分感じています。ただ、高校で奨学金を借りると、返済は高校卒業後6ヶ月経過後に始まりますから、大学進学を考えているご家庭であれば、高校大学ともに奨学金を利用してしまうと、どんどん借金が積み重なっていくことになります。
入学金等のために、奨学金以外に教育ローンを借りると、さらに借金は膨らみ、就職後は、それこそマイナスからの出発となり長い返済生活が始まるのです。自分自身のライフプランを考えるどころではなくなるでしょう。
苦しい時こそ冷静になって、返さなくても良い給付型の奨学金制度を利用する、もしくは借りる奨学金の金額をできるだけ少なくするなど、卒業後の返済の負担をできるだけ少なくするよう知恵を働かせたいものです。

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[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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