祖父母のみなさま

シリーズ「教育資金を準備する」 第4回:もしも教育費を援助してもらえるなら…賢い贈与の仕方~教育費贈与信託、ジュニアNISA

2017年01月01日

葉っぱの上の雨粒

子どもの教育費を親の収入だけで全てまかなうことは、困難です。でも、「借りる」を前提にその都度の出費をしてしまうと、あとで大変な目に遭うこともあります。そこで今回は、頼れるところは頼ってみようということで、祖父母など親族の援助が期待できる時の、賢い贈与の仕方についてお話ししましょう。


■教育資金の一括贈与〜信託はお金持ちだけのものではない



「信託」は日本人にとっては馴染みのない制度といえるでしょう。ただ、海外ではペットにお金を遺したり、孫の結婚資金を信託口座として備えたりと、将来的に使い道を指定できるお金を遺す方法として一般家庭にも馴染みがある制度です。
この信託という言葉が、日本で少し聞かれるようになってきたのは、信託口座を利用した教育資金の一括贈与の非課税措置制度ができたおかげですが、この制度は平成25年4月1日から平成31年3月31日までという一時的な制度です。最初は使い勝手が悪いということで普及は望めないと思われていたのですが、この制度の利用者は飛躍的に増えてきている状態です。
教育資金贈与信託の受託状況
※クリックでPDFを表示
「孫が喜ぶ」というような可愛い愛称の口座を勧められたことがある方もいるのではないでしょうか。これからは、信託という制度はお金持ちだけの制度でなくなってくると思われます。

■教育資金贈与信託はこう使う



この制度は、教育費の名目で、直系尊属、いわゆる祖父母や曾祖父母から子どもや孫に教育費を贈与すると、1,500万円までが非課税になることが最大のメリットです。学校以外の費用、例えば習い事等であっても500万円までは非課税ですから、比較的教育費と定義される範囲は広いといえます。ただ、贈与された子どもが30歳に達した時に、教育資金として使い切れなかった残りのお金には通常の贈与税がかかり、非課税の恩恵がありません。教育費として使い切れるくらいの金額を贈与するというのがポイントとなります。
よくお子様のいるご家庭にお話を伺うと、これから子どもにいくらお金がかかるかわからないから将来の費用を見積もることなんてできないと言われます。
もちろんその通りです。そこで、まず、こんな進学コースであれば学費を出せるのはここまでということを子どもと一緒に考えましょう。「うちの家にお金はないから」と言っているだけでは、本当にないのか、それとも単に口で言っているだけで無理すると出せるのかなど、子どもにはわかりません。変更はありえるということを想定して、計画的に進学コースを決定し、もし援助してもらうのだとしたら、贈与する側、贈与される側どちらにとっても無理のないような金額を信託するということが大事です。

■NISAという制度も使う価値あり



NISAという口座に贈与するという選択肢も言及しておきます。大人向けのNISAは2014年に始まって数年たっていますが、子ども向けといわれるジュニアNISAは2016年4月から始まった新しい制度です。
「子どもの学費を運用なんて」という風潮もあるかと思いますが、少しでも運用に興味がある方にはお勧めできる方法です。年間80万円までの金額を贈与して子どもの代わりに運用します。計画的に利益をあげて利子が出る場合、値上がり益や配当金が非課税となります。ただ、18歳まで口座からお金を引き出すことができませんから、途中で払い出ししようとすると、生じた利益に対して課税されます。そして、大学の入学金のために使うのであれば、早生まれや推薦入試を利用する場合など想定すると、受験する子どもにとって、18歳まで払い出しができないというのがよいかどうかの判断が分かれます。
ジュニアNISAの資金が払い出しできるようになるまで、つなぎ資金が必要になる場合もあります。ただ、子どもが小さいときに学資保険などに加入しそびれ、子どものために何か加入しておけばよかったと後悔されているようなご家庭であれば、ジュニアNISAは使う価値があります。

贈与は、誰からいくら贈与をしてもらうのか、贈与した側と贈与された側にとってメリットがあるのはどんな制度なのかを見極め、賢く活用したいものです。


シリーズ「教育資金を考える」 これまでの記事

第1回:早めの教育方針決定で老後破産から身を守る
第2回:中高生のお子様を持つ家計の考え方とは?
第3回:「かかる」と「かける」の違いを理解すれば、未来の教育費は貯められる

[當舎 緑]


當舎緑

■プロフィール 當舎 緑


社会保険労務士。行政書士。CFP®

とうしゃ・みどり●阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。
得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。
著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

當舎 緑のホームページ
http://tosha.grupo.jp/

子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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