祖父母のみなさま

シリーズ「教育資金を準備する」 第1回:早めの教育方針決定で老後破産から身を守る

2016年10月01日

夕暮れ時の海辺の親子

子育て世代の方からは、これからの教育費にどう備えればよいのかわからないという声が大変多く寄せられます。
そこで、今月から6回に分けて、そのような悩みにお答えすべく、テーマごとに解説していきたいと思います。今回は具体的な話に入る前に、ライフプランにおける教育費という総論的な視点でのお話です。

■進路によって大きく差が出る教育費



教育費に関するいくつかの意識調査では、多くの保護者が「どれくらい必要となるかわからないので不安」と回答しています。
教育費は子どもの進路によってかなり差が生じるものなので、見通しが立てづらい=いくら準備すればよいかわからない、と思われているようですね。
確かに先のことは予測できませんが、統計資料などである程度の金額は抑えておきましょう。

小学校から大学までの進学パターン別費用

いずれのパターンにせよ、必要な費用を必要な時までに準備することが重要です。進路の見通しがついた時点ですぐに取り掛かりましょう。
例えば、子どもが高校2年生くらいになれば、国立か私立か、文系か理系かは決まってきます。その時点で上記のような資料等で必要額をすぐに確認し、どの預貯金から捻出するのか、ある程度の算段はつけておきます。

しかし、子育て世帯にはさらに留意してほしいことがあります。
それは教育資金と老後資金のバランスです。

■教育資金と老後資金を同時に準備!?



一般的には、教育資金→老後資金の順でお金は必要になってきます。
皆「老後は大丈夫だろうか?」という漠然とした不安はあるものの、教育費や住宅ローンなどの目の前のやりくりに精一杯で、とても老後のことまでは気が回らないのが本音でしょう。

しかし、高度成長期の右肩上がりの給与を経験し、公的年金を60歳から受給できているはずの現在のシニア層でさえ、少なからず「老後破産」状態に陥っているのが現実です。
給与や年金などに、もっと多くの不安要素を抱える現役世代は、リタイアして気づいた時にはもう手遅れという事態も充分考えられます。早くからの自助努力が必要なのです。

さらに心配な点は晩婚化です。出産年齢が遅くなることで、末子の卒業と親の定年のタイミングがほぼ同時、あるいは親の定年後にやっと子ども全員が巣立つ、という状況も珍しくなくなりました。
そうなると、親が自分たちの老後準備に取り組む「時間」はほとんど残されていません。元気なうちは働けばいい、というのはもう常識なのかもしれませんが、再就職にしろ、継続雇用にしろ、現役時代と同じレベルの給与を望むことは年齢的に難しく、そのころには病気等で働けなくなるリスクも大きくなることを考えると、若いうちから老後の備えに本腰を入れておくことがいかに大切か認識していただけると思います。

■将来の家計を試算&早めの教育方針決定一この2つが一家を救う

「じゃあ、いったいいくら準備しておけばいいの?」という話になりますが、「退職までに3,000万円」などとメディア等で謳っている数字にはあまり意味はないと私は考えます。
何故なら、各家庭で子どもの数も違えば、年収も退職金額も年金額もお金の使い方も、すべて異なります。一般的な数字を調べるより、我が家の将来の家計を試算するほうが、よほど意味のある行動です。
ぜひ、家計のキャッシュフロー表を作成してください。簡単なもので構いませんし、入力する数字も大まかなもの大丈夫です。まずはざっくりと様子を掴んでみましょう。
(参考:日本ファイナンシャルプランナー協会のHPより家計のキャッシュフロー表作成の手順ページ)

その結果、老後の生活が立ちゆかなくなりそうであれば、現在の生活を見直す必要があります。
前述のように、教育費はその進路によって大きく差が生じます。もし早くから子どもを私立に通わせることで親の老後に支障が出るなら、思い切って教育方針を見直すべきでしょう。高校、大学ともなると進路選択は本人の意思や成績・学力によるところが大きく、親の経済状況を考えるのはそのあと、となりがちです。一方、私立小学校・中学校への入学は、親の意思がほとんどの決定要因です。冷静で総合的な判断が望まれます。

教育費にお金をかけすぎたせいで、リタイア後に子どもに迷惑かける、なんて事態は避けたいですよね。早めの教育方針決定が親子双方にとっての安心な未来に繋がるのです。

[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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