祖父母のみなさま

授業料以外の教育費─その内訳と展望

2016年03月01日

ピアノの前で歌う制服姿の男の子と女の子

■「子供の学習費調査」ってご存知ですか?



「子どもの教育はいくらかかるのか?」メディア等で頻繁に取り上げられるテーマです。その際、教育費の解説として主に利用される統計資料が、文部科学省の「子どもの学習費調査」(調査は隔年実施)。昨年末(平成27年12月24日)に最新の調査結果が発表されましたのでご覧ください。

資料1.平成26年度 学習費総額

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ここではおおまかな総額を示しましたが、実際は幼稚園から高等学校までかかる費用を、学年別・男女別・地域別・世帯年収別など、詳細に算出しています。
平成26年度「子供の学習費調査の結果概要」を掲載した文部科学省のホームページ
元々は教育に関する国の施策を検討するための調査ですが、今では教育産業界で広く活用され、ファイナンシャルプランナー(FP)などがライフプラン表を作る際、教育費の数字として用いたり、生命保険の保険金額算出に使ったり、ビジネスシーンでも多方面で活用されています。
もちろん、これらの金額はあくまでも平均額。ご家庭それぞれで「うちはもっとかかっている/かかっていない」といった感想はあるでしょう。ただ、FPとして、こうした教育費に関する統計データの数字を"みんな知っていて当たり前"の世の中にしなくてはいけないな、と思っています。子どもに、いつ・どれくらいお金がかかるのかを御存知ない方が多く、期日までに現金で支払わなくてはならない場面の多い教育費で、その時になって慌てる方がよくいらっしゃいます。平均額とはいえ、ある程度の必要額が認知されれば、計画的な教育資金準備につながるでしょう。

■学習費の内訳と今後の展望



内訳を見ますと、学校に関してかかる費用である「学校教育費」は、公立高校の場合、「無償化」の印象とはやや異なり、年間約25万円、3年間で約75万円かかっています。これは通学費用や部活動費も含めての年間平均額ですので、個人差が大きい点は注意が必要です。

そしてやはり気になるのは学習塾費等を含む「学校外活動費」ですね。この費目は、通信教育や塾、習い事など、学校以外でかかる学習費の総額なのですが、その中から学習塾の費用だけ抜き出してみました。

資料2.平成26年度 学習塾にかかった費用

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公立・私立/中学校・高等学校を問わず、受験生である3年次が最多となっています。特に公立中学校の3年生の塾費用は年間約33万円。月額にすると3万円弱。家計的にはキツイ時期であることが推測できます。しかし一方で興味深いデータもあります。学習塾費だけの金額分布調査をみてみますと、実は年間0円という金額帯が最も多く、特に高校では公立・私立ともに0円帯が6割を占めています。

資料3.平成26年度 学習塾にかかった費用の金額分布

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これには個人的にちょっとオドロキでした。「塾の費用が家計の負担になっている」というお悩みばかり聞いていましたものですから。ただ、次に多いのは40万円以上という金額帯です。それぞれのご家庭の状況や考え方があるので一概には言えませんが、かかる(かけられる)ご家庭と、かからない(かけられない)ご家庭の二極化が顕著になっているのではないでしょうか。
ひと口に学習塾と言っても、近年は衛星(映像)授業や個別指導、あるいはスマートフォンやPC・タブレットを利用したインターネット配信形式等、親世代では考えられないほどその内容は多様化してきました。加えて、2020年度から大学入試センター試験が廃止されます。新入試は現在の中学1年生から始まり、記述式回答で思考力を問う内容への変更が検討されています。すでに塾や予備校各社では、新入試に対応すべく、グループ討論の授業やプレゼンテーションの講座を新サービスとして打ち出しています。当然、コスト面でも変化がみられるでしょう。親としては早めの情報収集で備えたいところです。

■教育費をきっかけに家計全体を見直してみる

お子さんが中学生・高校生ともなれば、一般的には家族の人数は確定し、住居もある程度の目処が立ち、親の収入は先が見通せるケースが多くなります。お子さんが乳幼児の頃に比べれば、はるかにリアルな数字をもって老後資産の予測が立てられます。近い将来やってくる大学進学費用という大きな波に備えて、家計の再点検をするのに最適な時期と言えるでしょう。このタイミングでの家計の棚卸を強くお勧めいたします。

[大西 由紀乃]


大西由紀乃

■プロフィール 大西 由紀乃(おおにし ゆきの)


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅金融普及協会・住宅ローンアドバイザー

短大卒業後、大手電機メーカーに就職し、出産を機に退職。夫の転勤による海外赴任生活5年を含む約15年間の専業主婦生活の中で「主婦こそマネー知識が必要」と感じ、独学で資格取得。2010年よりファイナンシャル・プランナー。地元湘南地域密着のFPグループで、公立学校のPTA向け教育費セミナーなどを行う。現在は個人で活動中。「知らなくて損した」と後悔する人を少しでも減らすことが目標。目下、大学生の長女の教育費に向き合う日々。1児の母。

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
住宅金融普及協会


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