祖父母のみなさま

地域の教育資金の助成

2015年09月01日

建物と木のてっぺんが少し顔を出している空

私たちは、憲法で、教育を受ける権利を保障されています。同時に、保護者の立場として、子どもに教育を受けさせる義務を負っています。

憲法は、教育にかかる費用については触れていません。義務教育の給食費が保護者の負担か否かについてマスコミを賑わせたことがありましたが、義務教育中の教科書や授業料は無料でも、副教材や体操服、遠足代などは自己負担と認識されているのが一般的でしょう。

保護者は、子どもに学ばせる義務は負わされているけれど、費用については自分で負担すべきものも少なくないということです。そして、その費用は、ラクに負担できるとは限りません。

一方、子どもは学ぶ権利を持っています。教育基本法では、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされ、一定の条件のもと、義務教育中の子どもが学ぶための経済的援助制度が用意されています。

子どもが学ぶための費用についての援助は、教育基本法に基づいたもののほか、各市町村独自の制度もあります。

■中学時代の援助



小学生と中学生の保護者に対して、市町村が行う「就学援助」は、生活保護を受けていたり、世帯所得が一定以下の場合に、学用品や修学旅行の費用を決められた範囲の金額で出してくれます。

世帯所得の上限や援助額、手続き締切日は、市町村によって異なります。子どもが通っている学校を通じて手続きを行うため、年度開始の4月頃に書類が配られます。忘れている、親への反抗心からなど、さまざまな理由で子どもが学校からのプリントを保護者に出さないこともありますから、申請を希望する場合は見落としのないよう、声をかけるようにしましょう。

書類は、直接、役所の担当課へ提出する市町村もあります。学校からのプリントはもちろん、市役所等のホームページにも詳しいことが書かれていますので、お住まいの市町村の内容を確認ください。

東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、学校以外の教育費をサポートしてくれます。所得が一定以下の世帯に対し、学習塾、各種受験対策講座、通信講座、補習教室の受講料や、高校や大学などの受験料を貸し付けます。

図1.東京都受験生チャレンジ支援貸付事業<うち中学生対象>H27年度
東京都受験生チャレンジ支援貸付事業(うち中学生対象の詳細)

借りるお金は無利子で、最長5年間(60回)で返済します。無事に高校に合格すると返済免除になりますから、嬉しい制度と言えるでしょう。

■高校時代の援助



高校の授業料は、国の「高等学校等就学支援金制度」により、所得制限以内の世帯では月額9900円が支給されます。私立の場合は世帯収入によって1万4850円~2万4750円に増額されます。

これは、授業料が対象で、高校で必要なその他の費用には充てられません。各都道府県には、教科書・教材費、校外活動費、生徒会費、PTA会費等を払うために、非課税世帯を対象とする「高校生等奨学給付金」があります。保護者在住の都道府県から給付され、返済の必要はありません。

都道府県ごとに実際の補助の内容は異なりますが、国の基準は次のとおりです。

図2.高校生等奨学給付金 (国の補助基準 年額)
高校生等奨学給付金 (国の補助基準 年額)
高校3年生時、大学や専門学校への進学に向けて教育ローンを利用したような場合、その利子分を助けてくれる制度もあります。

対象になるのは、主に、在住の市町村にある民間金融機関の教育ローンです。多くの市町村では「国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)」や消費者金融からの借り入れは対象外ですが、国の教育ローンも対象としたり、「ろうきん(労働金庫)」は県内であればOKとするところもあります。

補給額は、借りたお金または、計算後の利息に上限を設けていることがほとんどです。

気を付けたいのは、補給期間が、子どもの通う学校の正規就学期間内であること。ローンを5年間で組んでも、子どもが4年制大学に通った場合は、補給は4年間までになります。

■地域の制度は、学校と役所で確認を



教育資金助成制度は、その地域ごとに内容が異なります。高校や私立中学の場合、生徒の住まいは複数の自治体にまたがります。わが家が使える制度を学校だけに求めるのは無理があるでしょう。住んでいる自治体に、自ら問い合わせ、使えるものはしっかり利用するようにしてください。


[菅原 直子]


菅原直子

■プロフィール 菅原 直子


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

すがわら・なおこ●会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。教育資金コンサルタントとして公私立高校での保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は250回超。神奈川県を中心に家計や保険の見直しの個人相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。セミナー記録と子育てを含む日々の雑感は、ブログ「湘南らいふでざいん」でどうぞ。

■著書
共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)
『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
WAFP関東
子どもにかけるお金を考える会 http://childmoney.grupo.jp/
FPライフ湘南 http://shounan.michikusa.jp/


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