祖父母のみなさま

中学・高校の学費で財布がからっぽになると、
教育資金の負の連鎖が待っている

2014年11月1日

わが子に、これと言った財産を残してやることはできないので、せめて十分な教育は受けさせたい──そう保護者が考えるのは不思議なことではありません。その結果、専門学校・大学までの長期にわたる教育にかかる費用を十分に用意しないまま、中学・高校でお金を使い切ってしまうことがあります。大学生は奨学金を受給できるという話を耳にし、高校卒業以降は子ども自身が学費をナントカできるはず、と考えていたりするからです。

■奨学金"受給"は、「もらう」タイプとは限らない



奨学金には、もらうタイプの給付型と借りるタイプの貸与型があります。「受給する」、「受け取っている」ことを「もらう」と表現する人がいますが、その奨学金が実は「貸与型」であることも。いろいろな奨学金の事業額を給付・貸与別に見ると、給付31.0%、貸与68.2%で貸与型の方が多い(日本学生支援機構「平成22年度奨学事業に関する実態調査」)のです。

子どもが受給する奨学金が「借りる」タイプだった場合、借りた金額によっては20年間にわたって数万円を返し続けることになります。

図1.奨学金の返済期間20年の例
奨学金の返済期間20年の例
※クリックで拡大

■孫も奨学金を利用する可能性アリ



子どもが、自身の借金の返済に追われて十分な貯蓄ができないと、その子ども(孫)もまた、奨学金頼みの進学をすることになりかねません。
たとえば、20年間の奨学金返済をする子どもが、大学卒業1年後に結婚し、さらに1年後に子ども(孫)が生まれたとしましょう。

この孫が大学に入学する時期、つまり孫が18歳になるまで、子どもの奨学金返済は続きます。孫のための貯蓄よりも借金返済の方が優先順位は高く、孫のための教育資金が十分に用意できずに、孫もまた、奨学金を利用する可能性が出てくるのです。

■17歳が、これまでの人生よりも長い借金を申し込むことの重み



1年間あたりの学校納付金は、大学で平均105万円(文部科学省「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」から入学料を差し引いた金額)。

この金額を、すべて日本学生支援機構の第二種(有利子)で用意しようとすると、月額8万円か10万円のいずれかを選択することになります。

奨学金の予約申し込み時期は、誕生日が来ていなければ子どもは17歳。大学卒業後20年にわたる返済期間の大変さを想像しろと言うのは、無理な話なのですから、保護者は、子どものライフプランをいっしょに考えてやるべきです。孫への影響を最小限にするにはどうすればいいか、ということですね。

■中高時代の保護者がすべきこと



将来、子どもが奨学金返済に困ることがあれば、頼る先は保護者です。返済に困ったとき、日本学生支援機構に相談すれば、事情により、返済は待ってもらえます。けれど、借金そのものが消えるわけではありません。いつかは返すことになります。

もし、保護者が奨学金返済を肩代わりしようとすると、そのお金の出所は、保護者自身の老後生活費です。孫への借金の連鎖だけではなく、保護者自身にも影響を及ぼす「貸与型」奨学金の利用は最小限にとどめるために、中学・高校時代に教育資金が底をついてしまわないような教育資金プランを作りましょう。

中高時代の学費を払いつつ、大学・専門学校の学費を貯蓄できるような家計であることが必要ですから、大学に進学させるつもりであれば、小学校6年生の時点で、その後の10年間の資金計画を立てることが必要です。子供の進路は、負担する費用も含めて決めるようにしてください。


[菅原 直子]


菅原直子

■プロフィール 菅原 直子


ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

すがわら・なおこ●会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。教育資金コンサルタントとして公私立高校での保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は150回超。神奈川県を中心に家計や保険の見直しの個人相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。セミナー記録と子育てを含む日々の雑感は、ブログ「湘南らいふでざいん」でどうぞ。

■著書
共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)

『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)

■所属団体
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
WAFP関東
子どもにかけるお金を考える会 http://homepage2.nifty.com/moneychild/
FPライフ湘南 http://shounan.michikusa.jp/


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